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投下代行スレ
- 287 :風と木の名無しさん:2012/10/17(水) 01:23:41 ID:aPC+cymI0
- 連続投稿でひっかかてしまいました。お手数ですがラスト投下して頂ければ幸いです。
【名前欄】夜、深し 4/4
【メール欄】sage
【本文】
本当にこれだけで充分なのだと、翔太は分かってくれていただろうか。
全く不埒な気持ちがない訳でもないし、惚れた相手が腕の中にいる状態にこれっぽっちも
疼くものがない訳はない。それでも穏やかでいられるのは、気持ちを満たして貰っているからだ。
寄り添って眠る距離を許されている事も、心を受け止めて貰える事も。
どうして翔太がそうしてくれるのか。それは二人の間に、長い間ずっと恋があるからだ。
年齢は違っても、入門順が物を言うこの世界では同期。落語に対する愛情も、高座に向かう姿勢も、
尊敬し刺激し合える稀有な相手。どこでどう上滑りして恋になったのかは説明出来ないけれど、
同じ気持ちを翔太も抱いてくれていた。だから二人こうやって一緒にいる。
ふと気が付けば、この所とんとなかった穏やかな眠りが士の輔を包み込もうとしていた。
本音を言えばこのまま一人、一番近い所に翔太を感じながら暗闇をそっと覗き込んでいても
構わなかった。けれど有言実行なのだろう。翔太の体温と寝息が導いてくれる。
惜しむ気持ちは裏切りだろうか。自分を存分に甘やかしてくれる恋人への。
もう回転が鈍くなった思考で考えかけて、やめる。眠りに落ちるその淵で考えるならば、
翔太自身の方がいい。夢は脳が記憶を整理するから見るのだと聞いた事がある。
士の輔は夢を覚えていない眠り方をするけれど、常にない穏やかな眠りの中でなら
見られるかも知れない。出来る事なら、いとしい腕の中の相手を。
すぅっと波が引くみたいに、士の輔の意識が眠りに吸い込まれる。
明けの烏が鳴くまでの薄い闇が包む部屋の中には二人分の静かな寝息。
夢の入り口で翔太が待ってくれているかは、士の輔だけが知っていた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
4が連投規制にかかってしまい、ご迷惑をおかけしました。
投下代行してくださった方、ありがとうございます。
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