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投下代行スレ
- 196 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 14:48:09 ID:w8ZOxc4w0
- すみませんが代行お願いします。
【名前欄】癒しの手3/13
【メール欄】sage
【本文】
扉が開かれた。そこは3メートル四方程度だろうか、何もないがらんとした部屋になっている。
照明はない。しかし部屋の中にはほのかに光りが射し、奥に行くほど明るさを増して石作りの壁に陰影を映し出している。
部屋の奥、一人寝のベッドの幅ほどの部分が奈落になっていた。その下から光が射している。
その手前に、ウィルは丁重に横たえられた。薄い夜着を通して冷たい床の感触が伝わってくる。
「それでは、ウィリウス殿。よくよく神をお慰めし…」
「ちょっとまって!」
やっとの思いでウィルは言葉をしぼり出した。今では恐ろしい疑問が心に渦巻いていた。
ウィルは一人で小部屋に寝かされている。信徒達は外に出て、扉を閉めようとしている。
その前に、どうしても聞いておきたい事があった。
(「私は…捕まったのですか?最初からそのつもりで、助ける振りをして…」
「恐れながら。お食事に薬を混ぜさせていただきました。我々にはどうしても、ウィリウス殿の
ような方が必要だったのです。健康で、体力もある健やかな若者が」
「…私は殺されるのですか?それとも一生、閉じ込められて…」
「そのようなことは決してございません。ただ、時間をかけて説明いたす暇のない以上
これより他に方法がございませんでした。ウィリウス殿。何卒神のため、神の御力を必要とする
全ての者たちのために、御身をもって神をお慰め申し上げいただきたい」
司教は再び跪き、恭しく頭を下げた。その姿を隠すように小部屋の扉が閉じられる。
ウィルは想像のつかない恐怖と共に、一人小部屋に取り残された。
やがて、彼らの『神』と呼ぶものが、奈落から姿を現した。
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