なるほど告知欄じゃねーの

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投下代行スレ

1 :風と木の名無しさん:2011/06/16(木) 12:22:02 ID:h0wT/kes0
アクセス規制や忍法帖レベルが足りないなどの理由で本スレに投下できない人が
作品を投下して、誰か他の人に本スレに投稿してもらうスレです。

代行を依頼したい書き手さんは投稿する内容をテキストファイルにまとめたもの
をアップローダーにアップするか、このスレッドに直接投稿してください。

例:
【名前欄】作品タイトル 1/3(←投下時のナンバリング・適宜変更してください)
【メール欄】sage
【本文】 http://morara.kazeki.net/upload/img/059.txt

アップローダー
http://morara.kazeki.net/upload/


173 :風と木の名無しさん:2012/04/22(日) 09:15:34 ID:eGckNDF60
>>172
どうもありがとうございました!

174 :風と木の名無しさん:2012/05/04(金) 13:50:23 ID:7vhAKy3Q0
レベル不足のため、お手数ですが投下代行お願いできますでしょうか

【名前欄】レーザービーム1/5〜5/5
【メール欄】sage
【本文】

超次元野球。丑→葛な話。卒業後。一人語り。
・実在の歌がモデルになってる
・時系列は捏造
苦手だと思われた方は申し訳ないですがスルーお願いいたします
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

耳に覚えのあるヒットソングが管楽器の音で流れてくる。吹奏楽部の練習なのだろう。
十二支高校野球部は、昨年の夏・今年の春の快進撃により、県内をはじめ校内からの扱いも一変した。
潤沢な部費が支給され、朝礼で表彰され、
校内で応援団が組織されブラスバンドも漏れなくついてくるようになったらしい。
「うらやましいな」
昨年この高校を卒業し、自分の道を歩み始めたかつての主将はつぶやいた。
全面的に背中を押されて、期待を背負って戦いに赴く後輩達。
自分が不遇であったなどとは思わないが、この独特の熱気に包まれての
試合を体験してみたかった、というのは紛れもない真実である。
高校生活。
このきらきらとした時間と無縁になってしばらく経った。
出会いと別れは表裏一体というとおり、
経済・語学・政治とこれからの自分の役割のために学んでいくことは山ほど控えていた。
立ち止まる暇などなかったのは、踏ん切りをつけるという意味では幸運だったのかもしれない。

175 :2/5:2012/05/04(金) 13:53:39 ID:7vhAKy3Q0
「あれー、キャプテン?」
聞き覚えのある声。ひょこりと顔を出した彼は、
心なしか去年よりも顔つきが少し大人びてきたように思う。
「兎丸くん、しばらく。背が伸びたね」
「えへへ、そうかな。キャプテン今日は大学なかったの?」
「授業が休講になってね。久しぶりにここを訪ねてみたんだ」
さっきグラウンドを見てみたよと言うと、彼は嬉しそうに
近況報告をしてくれた。
「今年もねー、新入部員がいっぱい入ってきたんだよ。
ぼくに憧れて入ってきたって言ってくれた子もいてさ、
先輩になったんだしキッチリしなきゃなーって思うこともあるんだよね。」
皆、確実に進歩している。技術だけではない、精神面の成長が著しい。
かつての後輩が伸びていく姿を見るのは嬉しくもあり、寂しくもあった。
また、ブラスバンドが聞こえてくる。
「バックが豪華だと勢いがついていいね」
「今年は応援団も増えたんだよ。やっぱ去年の活躍が効いたんだね」
彼は頭のいい子だ、と思った。
「先輩」の不興を買わないよう、こちらを持ち上げて気まずい会話を回避した。
しかも鼻につくことなく、さりげなく。
流れてくるメロディーにあわせて、彼は軽く歌詞を口ずさむ。
『 グラウンドに立つ キミの姿が まぶしくて 少し照れちゃうけど 』
「あれ?『マウンドに立つ』って2番の歌詞だったのかな」
「違ったような…あ、もしかしてそれ歌ってたの、犬飼君の親衛隊?」
先ほど耳にして憶えていたのだ。
てっきり投手の詩なのだと思い込んでいた。
「僕もけっこうそそっかしいからなあ」
軽い笑い話をしていると、おそらく新入生なのだろう。
まだ高い声が彼を呼ぶのが聞こえた。
「あ、キャプテンごめんね。もう行かなくちゃ」
「こちらこそ、引きとめてしまってすまなかったね」
いつも通りに笑えているだろうか。
「みんなに会ってく?」
「…また、顔を出すよ」
今会ったら、ひたすらに高みを目指す彼らの邪魔になってしまう。
過去をわざわざ振り返らせる必要など、ない。


176 :3/5:2012/05/04(金) 13:55:02 ID:7vhAKy3Q0
帰宅し、用があるまで放っておいてくれと言い残し部屋へ篭もることにした。
何故だか泣きたくて仕方がなかった。なぜ。
普段は滅多につけないTVの電源をつける気になったのも、
そんな気分を紛らわすためだったに違いない。
適当にチャンネルをまわす。別に見たいものなどない。
ただ、静寂の中にいることだけは耐えがたかった。人工的な喧騒に包まれていたい。
リモコンを持つ手がとまる。興奮と緊張を、画面越しに受け取った。
『…さあ、白熱してまいりました。入れば虚仁の逆転、押さえれば比呂縞の勝ち越し。ツーアウト一塁、まだ勝負の行方はわかりません…』
思わず、息を飲む。煌々と照らされるマウンドには、
よく見知った人物が神経の糸を極限まで張り詰めて勝負のころあいを見計らっていた。
瞬間を、支配した者が勝つ。
対峙したことがあるから、あの戦場に立ったことがあるから、
痛いほどにその空気がわかる。


177 :4/5:2012/05/04(金) 13:56:11 ID:7vhAKy3Q0
ゆったりと体を捻る。ぜんまいを巻くように、限界まで。
肉眼では白い光線のように見えた。画面のS字の横、赤いランプがふたつ灯った。
「今のは生で見たかったな」
いつの間にか、食い入るように画面を見ていた。
まだ最大の山場は、残っている。
声援を耳が拾う。あと一球、あと一球。
深呼吸をして、心身を整えて。静かに投球体勢に入り、相手の間を読む。
永遠にも感じられるギリギリの均衡。
鋭い視線は相手の闘志も隙も、確実に打ち抜く。

一瞬。バッターが怯むのがわかった。
今だ!
球圧から生まれた風が、こちらにまで伝わるようだった。球を目で追うことができたのは、ミットに収まる直前だ。
ストレート。
「すごい」
声が震えているのは、感傷的な気分になっているからに違いない。
高校時代何十年にひとりの天才と謳われていても、才能が集う世界で活躍できるのは一握りである。壁にぶつかり、苦しみ続ける時期も確実に訪れる。
それでも。
真っ向勝負を挑み、自分の流儀を通して存在感を示し続ける。
その姿勢は、とても傲慢で尊い。
幾人もの夢も期待も背負い、無言でマウンドに立つ。
嫉妬では、ない。戸惑いでも、ない。ただただ圧倒されたのだ。


178 :5/5:2012/05/04(金) 13:57:37 ID:7vhAKy3Q0
勝負が決まり、体を支配していた力が抜けてしまった。
重力にまかせるまま、ソファに仰向けになる。
「…マウンド に、立つ キミの すがた が…」
まぶしいどころの話ではない、ドキドキするどころの話でもない。
置いていかれてなるものか。また会う時は、同じ目線で。
それが、画面の中の人物がかつて絶縁してまでも死守し、
今は自分が痛切にのぞむ立ち位置である。
戦う場所はもう違うけれど、せめて志は共有したいと思う。

『ありがとう』
画面に向かって心のうちで礼を言う。
迷いも、曇りも。一瞬にして吹き飛ばされた。あの美しいストレート。
僕は僕の道を歩いていける、キミに恥じない場所に居続けるために。
じっとしてはいられない。
そう思うと、自室の厳重な扉を勢いよく開いた―。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!



179 :風と木の名無しさん:2012/05/05(土) 23:51:22 ID:QxdMBTPQ0
done.

180 :174:2012/05/06(日) 12:20:49 ID:giqVwGfQ0
投下してくださった方、ありがとうございました!

181 :風と木の名無しさん:2012/05/15(火) 00:11:12 ID:ih291M2wO
規制の為、お手数おかけ致しますが何方か投下代行よろしくお願いします。


【名前欄】舐めてぇんだ 2/2
【メール欄】sage
【本文】
二人で緑ラベルを飲み大抵下らない話になるそんな時間も
大好きで酔って半分出来心で手を触れれば笑って
自分の手を退けないのを良いことに白い首元に噛みつく。
この男に不器用ながら優しくしたい気持ちが込み上げてくる。

首に痕を落とすと動揺して手に持った缶ビールを
軽く握り潰した彼の唇を舐めて何も言えないようにして塞いだ。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

本スレに1/2は投稿済みです。最後の方がどうしても投稿が出来なくて申し訳ありません。

182 :風と木の名無しさん:2012/05/15(火) 01:07:18 ID:ih291M2wO
>>181
投下できました ご迷惑おかけしました

183 :風と木の名無しさん:2012/08/30(木) 02:47:53 ID:3TftouPc0
規制のため、お手数ですが投下代行よろしくお願い致します

【名前欄】たいせつなひと 1/6
【メール欄】sage
【本文】

半生・現行月九の新社長×元社長で新社長視点・7話冒頭周辺の話で801成分は低め
新社長が理想のヤンデレすぎて毎週ハァハァしているものの規制で全く801板に書き込めなくてつらいのでむしゃくしゃしてやった
棚への投稿は数年ぶりゆえ、お見苦しい点がありましたら申し訳ありませぬ

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!



久しぶりに寄って行かないか、と大切な人が言った。
だからああ、とだけ答えた。



「うっわ、本当に久しぶりだなこの家」
「だろ?」
「妹がこっち帰ってきた時以来じゃないか?」
「ばたばたしてたからな」
そう言いながら苦笑する横顔を見つめる。
きっと彼はまだはっきりと自覚してはいないのだろう。
奈津井誠。彼女の言葉で、行動で、心で、自身がどれだけ変わってきているのか。

184 :風と木の名無しさん:2012/08/30(木) 02:49:09 ID:3TftouPc0
【名前欄】たいせつなひと 2/6
【メール欄】sage
【本文】

一番間近で彼を見つめ続けてきた自分だから気づくのだ。そしてだからこそ、堪えられないのだ。
心の奥底に渦を巻くこれは憧れか羨望か、それともどす黒い嫉妬の心か。
目の前の男の持つ天賦の才への。
その男を刺激し、いとも容易く変えてしまう無垢で愛らしい天使への。
果たして日優雅に変わってほしくなかったのか。
それとも彼を変えられるのは自分しかいないとでも思い上がっていたのか。
今はもう、わからない。
「でもよかった」
「何が」
日優雅が少し気まずそうに笑った。
「もう、お前とはこうやって話せないのかと思った」
まだ記憶に新しい。
株主総会の後に一戦を交えたという話は瞬く間に社内に広まり、かつてない剣呑な雰囲気を醸し出すツートップに社員たちも動揺を隠せない様子だった。
しかし一番こたえたのは何と言っても日優雅自身だろう。
多少の口論は今までに何度かあれど、そのやり方に真っ向から異を唱えたのは後にも先にもあれ一度きりだったのだから。
故意に酷い方法で傷つけた。一番彼の心を抉る言葉を選んで。
誰に何を言われても決して揺らがなかった日優雅が信じがたいほどに憔悴していたことを会いに行った妹から聞かされた。
自分の言葉がまだそれくらいの影響は与えられるのだと、暗く歪んだ悦びが湧き上がる。

『間違っていたのは俺だ。お前のやり方を疑った。ここはお前の会社だ』

185 :風と木の名無しさん:2012/08/30(木) 02:50:03 ID:3TftouPc0
【名前欄】たいせつなひと 3/6
【メール欄】sage
【本文】

その言葉を聞いた先ほどの日優雅の表情が脳裏を過ぎった。
自信を取り戻したその顔は間違いなく自分の惚れ込んだ日優雅透そのものだった。
今までならその言葉に一片の嘘偽りもなかっただろう。
いや、今だって嘘を言っているつもりはないのだ。その証拠に日優雅は自分の言葉をただの少しも疑うことはない。
けれど確実に、自分の中では、何かが恐ろしい勢いで変質している。
もう自分でも制御できないほどに。
何が嘘で、何が本当なのか。
ただはっきりしていることはこの関係があと少しで終わるということ。他でもないこの手で終わらせるのだということ。
その時が来たら、ああ。彼はどんな顔をするだろうか。
「何言ってる。何年付き合ってると思ってるんだ」
隣に立つ日優雅の肩を抱いて諭すように力強く微笑んでみせる。
「そう簡単にお前を見捨てるわけないだろう?」
日優雅が、心から安堵した風情で笑った。



「さ、落ち着いたら少し寝ろ」
シャワーを浴びた日優雅が、まだ髪から透明な雫を滴らせたまま振り返った。
寝室の方向を顎で指し示しながら再び促す。

186 :風と木の名無しさん:2012/08/30(木) 02:50:48 ID:3TftouPc0
【名前欄】たいせつなひと 4/6
【メール欄】sage
【本文】

「ろくに寝てないんだろう」
「僕は大丈夫だ、それを言うなら浅雛だって」
「俺のことはいいから」
「…帰るのか?」
「お前が傍にいてほしけりゃいてやるよ、だから寝ろ。今は社長が体調を崩していい時じゃない。これから大事な謝罪会見だってあるんだからな」
心許ない顔をする日優雅に柔和な微笑を浮かべながらそう囁いてやる。
「…ん」
彼がこくりと頷いた。自信家で尊大な天才、世間が抱く彼の印象からはとても想像できないほど素直で繊細な素振り。
ああ。お前は本当に子どもみたいだよ。いい意味でも。…悪い意味でも。
幼い子をあやすようにぽんぽん、と。指の先が僅かに濡れた。
寝台に腰掛け、横になる日優雅を見下ろす。足をばたつかせながら寝転がる姿が過ぎた昔を彷彿とさせた。
「お前、昔オフィスでよく寝ちゃってたよなあ」
「…そうだったか?」
「おいおい、俺が何回毛布かけてやったと思ってるんだよ」
肩を竦めて返すと日優雅がふふっと笑う。
「冗談だ。忘れるわけないだろう、あの頃のこと」
もともと体力のなかった日優雅は創業当時、慣れない作業に疲れて寝てしまうことがよくあった。
大好きなプログラムを組んでいる時は時間どころか寝食すらも忘れて没頭するくせに。
全く勝手なやつだ。それとも天才って皆こんなものなのか。
そう思いながらも、その無防備な寝顔からついつい目が離せなくて気がつけば日が暮れていたりして。

187 :風と木の名無しさん:2012/08/30(木) 02:52:24 ID:3TftouPc0
【名前欄】たいせつなひと 5/6
【メール欄】sage
【本文】

規則的にキーボードを叩く音がふっと途切れる瞬間が変に待ち遠しく思えたりして。
一人、また一人と社員が増えるにしたがってそんな二人きりの緩やかな時間を持つことも次第に減っていったように思う。
今はもう何もかも、懐かしく思い出されるだけだ。
「あさ、ひな」
「ん?」
「……僕…は…」
声はそこで途切れ。言葉を返す代わりに、二、三度布団をさすってやる。
枕に顔を埋め、すぐに穏やかな寝息を立て始めた大切な人の髪にそっと触れた。
出会った時に人生を捧げたつもりでいた。
恋人が出来ても、伴侶を娶っても、何があっても、この後の一生はずっとこの男の隣で歩んでいくのだとそれだけは不思議と信じて疑わなかった。
きっと、互いに。
「…そうだ」
どれほど彼の外見が変わっても。どれほど自分の中身が変わってしまっても。
柔らかい髪の手触りは初めて出会った8年前のそのままで。
8年間。気づけば、あの頃の自分の年齢を彼が通り越していた。長いようであっという間だった甘い甘い蜜月。
甘く熟したその実は既に腐る時を待つだけだったのかもしれない。
「簡単じゃないんだよ、透」
どこでボタンを掛け違えたのか知れない。
それでももう自分は、この道をゆくと決めたのだ。
彼を切り捨てるその刃の先が鈍く輝く諸刃だと心のどこかで気づいていたとしても。
賽は投げられた―――もう引き返すことは叶わない。

188 :風と木の名無しさん:2012/08/30(木) 02:53:33 ID:3TftouPc0
【名前欄】たいせつなひと 6/6
【メール欄】sage
【本文】

「…簡単じゃ、ないんだ」
そうひとりごちながら。
浅雛康介は、誰よりも大切だった人の頭を静かに撫でた。



□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

8話予告の「誰よりも日優雅さんのこと大切に思ってたでしょ!?」発言に滾ってしょうがなくてつい
毎週毎週公式が妄想の遥か斜め上をいってくれるので大変ですwwヒロインが妹より兄を恋のライバル扱い吹いたww
実は浅雛さんが真っ白エンドとか、なさそうだけど、そういう意味でも今しか書けないものを…みんなしあわせになーれ
お読み下さった方がいらしたらありがとうございました!

189 :風と木の名無しさん:2012/08/30(木) 21:41:33 ID:knKOLALU0
>>183-188
投下しました

190 :風と木の名無しさん:2012/08/30(木) 23:52:04 ID:3TftouPc0
>>189
ありがとうございました!心より感謝です!

191 :風と木の名無しさん:2012/09/05(水) 03:31:15 ID:E0vne5qc0
忍法帳レベルが足りませんでした。お手数ですが代行お願いします。
【名前欄】新BM 2/3
【メール欄】sage
【本文】
「俺の事は放っておいてくれ」
再び背を向けて、なんとか風に逆らって歩き出す。だが、殆ど進まないうちに、今度は相手自らに前へ廻りこまれる。
押しのけて進もうとしたが、びくともしなかった。逆にその手を掴まれ、引き寄せられる。
「一緒に、帰ろう」
耳元で言われるが、無視して腕を振りほどこうとした。だが離れない。元々肉体的な力が違いすぎる上、今は酷く消耗しているのだから当然といえば当然だが。
空いた方の腕で押したり叩いたりしたが、堪えている様子は全く無かった。離すどころかよけようともせず、左手で腕を掴んだまま右手を背中に廻される。
相手からすれば、落ち着かせて説得しようとしての行為だっただろう。だが今の心持では逆効果だった。余計にむきになり、完全に頭に血が上ってしまう。
腕と背に手をかけられている上半身に比べ、下は割と自由がきく。服ごしとはいえ、相手の右手の感触が伝わってくる。
加えて、なんとしても離れようとするあまり理性を失った状態で、とる行動は一つだった。
右足を持ち上げ、体重をかけて思いきり踏み下ろす。相手の左足を狙って。
その瞬間、理性が甦り、自分が何をしようとしているのかに気付く。
なんとかブレーキをかけつつ横に逸らして、直撃させる事を避ける。だが完全に外す事は出来ず、端が当たってしまう。
そこまで大きなダメージにはならなかったようだが、触れる手が一瞬こわばり、脱力してそのまま地面にへたり込む。
その姿に完全に理性を取り戻し、慌てて横に膝をついた。
先程までとは逆に、こちらが抱くように右手を背に廻し、左手で相手の足をさする。
「……すまないっ」
下を向いて、目を伏せたままやっと声を絞り出す。
黙って、髪から背にかけて何度も撫でられる。

192 :風と木の名無しさん:2012/09/05(水) 03:33:22 ID:E0vne5qc0
【名前欄】新BM 2/3
【メール欄】sage
【本文】
不意に、疲労と痛みが甦る。相手の背に添えていた手から、続いて体から力が失われてその場に倒れ込む。
それを抱きとめられるのが分かったが、もう抵抗する事は考えなかった。
「……かえりたい」
ごく自然にその言葉が口から出る。その瞬間、心を縛り付けていたものが全て解けていった。
今まで考えた事も無いほど、相手に縋って甘えたくなる。だが、自力で動けるだけの力は無かった。
「連れてって……」
掠れた声でそれだけやっと言う。
「勿論だ」
目と同時に閉じていく意識に、その声だけはしっかりと届いていた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

分割ミス&途中規制失礼しました。
DVD見たらこの二人これでもかってほど萌える。

193 :191-192:2012/09/05(水) 03:53:33 ID:X3G8WO3AO
ごめんなさい、訂正です。
192は
【名前欄】新BM 3/3
でお願いします。

194 :風と木の名無しさん:2012/09/05(水) 09:11:59 ID:gxQDn/xo0
>>193
投下完了

195 :風と木の名無しさん:2012/09/05(水) 12:35:53 ID:X3G8WO3AO
>>194
投下ありがとうございます。助かりました。

196 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 14:48:09 ID:w8ZOxc4w0
すみませんが代行お願いします。


【名前欄】癒しの手3/13
【メール欄】sage
【本文】
扉が開かれた。そこは3メートル四方程度だろうか、何もないがらんとした部屋になっている。
照明はない。しかし部屋の中にはほのかに光りが射し、奥に行くほど明るさを増して石作りの壁に陰影を映し出している。
部屋の奥、一人寝のベッドの幅ほどの部分が奈落になっていた。その下から光が射している。
その手前に、ウィルは丁重に横たえられた。薄い夜着を通して冷たい床の感触が伝わってくる。
「それでは、ウィリウス殿。よくよく神をお慰めし…」
「ちょっとまって!」
やっとの思いでウィルは言葉をしぼり出した。今では恐ろしい疑問が心に渦巻いていた。
ウィルは一人で小部屋に寝かされている。信徒達は外に出て、扉を閉めようとしている。
その前に、どうしても聞いておきたい事があった。
(「私は…捕まったのですか?最初からそのつもりで、助ける振りをして…」
「恐れながら。お食事に薬を混ぜさせていただきました。我々にはどうしても、ウィリウス殿の
ような方が必要だったのです。健康で、体力もある健やかな若者が」
「…私は殺されるのですか?それとも一生、閉じ込められて…」
「そのようなことは決してございません。ただ、時間をかけて説明いたす暇のない以上
これより他に方法がございませんでした。ウィリウス殿。何卒神のため、神の御力を必要とする
全ての者たちのために、御身をもって神をお慰め申し上げいただきたい」
司教は再び跪き、恭しく頭を下げた。その姿を隠すように小部屋の扉が閉じられる。
ウィルは想像のつかない恐怖と共に、一人小部屋に取り残された。
やがて、彼らの『神』と呼ぶものが、奈落から姿を現した。


197 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 14:50:46 ID:w8ZOxc4w0
【名前欄】癒しの手4/13
【メール欄】sage
【本文】
その姿を見て、ウィルは顔色を失った。
二本の長い縄のようなものが奈落から這い上がってきたのだ。
乳白色に輝くそれらは優に一握りはあるだろうか。伸縮を繰り返しながらずるり、ずるりと
ウィルに向ってにじり寄って来る。這いずった後にはそれの持つ粘液なのか、ぬらぬらとした
跡が残っている。
「なに…いやだ…」
ウィルは逃げようともがいた。だか、司教の言った薬のせいなのか、深い眠りから無理に
叩き起こされたような体はいうことをきかず爪先だけが力なく床を引っかく。
それはゆっくりと体に巻きついた。生暖かい粘液が肌に絡みつく。伸びきった表面は滑らかで
柔らかい。しかし恐ろしいほどに力強く、ウィルの体を難なく絡め取ると奈落の底へと運び入れる。
そこには神の本体とも言えるものが鎮座していた。
『神は』異様な姿をしていた。地下に開いた巨大な花のように、四方八方に乳白色の腕を伸ばし
ざわざわと蠢き燐光を放っている。顔や胴といった、いわゆる生き物らしい部分は見当たらない。
(…これが神?触手の化け物じゃないか)
恐怖に嫌悪の気持ちが入り混じる。なすすべもなく吊り上げられ、ウィルは本体に向って
運ばれてゆく。他の触手たちがウィルに気付いたように一斉に、その体を目指して伸び上がってくる。

198 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 14:54:57 ID:w8ZOxc4w0
【名前欄】癒しの手5/13
【メール欄】sage
【本文】
「やめ…ろ、放せ!」
所詮は無駄な抵抗だった。言葉が届くはずもない。触手は無遠慮にウィルの体に巻きついた。
夜着の袖を払い、両腕を這い回り、指先まで絡みつき一まとめに縛める。前腕に負った傷に粘液が
塗りつけられ、ちりちりと痛んだ。
さらにもう一本。足元から縋り、巻きつきながら夜着の裾を割って進んでくる。しなやかに伸び
縮むと瘤が連なるように表面が波打ち、そこから一層身を伸ばしウィルの鼠径部に巻きつこうとする。
触手の動きに合わせ、重く湿った粘液の音がべしゃり、と響く。
限界だった。激しい嫌悪にまかせウィルは力の限り暴れた。かろうじて動く片足を振り回し
脚に絡む触手を蹴りつけようとする。つま先が触手に触れた。その表面に親指の爪を立て
力を込め引っ掻きおろす。
触手の動きが急変した。それまでの緩慢な収縮をやめ、一気にウィルの体を締め上げる。
脚に巻きついた触手はするりとウィルの男根に巻きつき、根元を締め付けるととたんに強張り
滑りもせずに力任せにねじ上げた。
「ひっ…ぎゃあああぁぁぁーーーっ」
ウィルは仰け反って絶叫した。敏感な部分を強く捻られ、痛みのあまり目の前が真っ白になる。
体の力が抜ける、しかし触手は蹂躙を止めようとはしない。両腕は頭の後ろに縛り上げられ
脚は新たな触手に押し広げられウィルの股間を無防備にさらけ出す。苦痛なほどに広げられた脚から
さらに腰へ、胸へと触手が這い進んでゆく。もう一度、男根を締める触手が大きくうねった。
「ぐあぁ…ああぁー…」
炸裂する痛みに気が遠くなる。もはや抵抗する気力もなかった。痛みに目を見開き、
大きく口を開けて浅い息を繰り返す。目の前の景色が揺らぎ、一瞬、意識が暗闇に落ちかける。


199 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 14:57:31 ID:w8ZOxc4w0
【名前欄】癒しの手6/13
【メール欄】sage
【本文】
やがて、触手の動きが収まった。
ウィルは動こうともしない。涙が流れているのがわかった。暴れたためか包帯が解け
傷の上にも直接触手が取り巻いている。男根の触手は力を弱め、それをやわやわと撫でている。
しかし、痛みも快感もウィルには感じられなかった。ただ、激痛の余韻に身を震わせているだけであった。
涙を追うように、一本の触手が顔に張り付いてきた。先端を器用に窄ませながら目の周りを舐める。
薄く開いた唇をこじ開け、別の触手が侵入してくる。にじむ冷や汗が粘液と絡みあう
どこか淫靡な音が地下室に鳴り響いた。
胴を巻く一本の触手が離れ、腰骨を一撫でしてその奥へ、尻肉の間へと滑り降りる。
しばし先端で吸い付き、つつき廻したあと、探り当てた後孔をゆっくりと捏ねるように動く。
『御身をもって神をお慰め申し上げいただきたい』
司教の言葉をぼんやりと思い出す。たしかにこれでは、言葉通りの慰み者だ―
最後に一つ、陰部をぬるりと撫で、触手は硬く閉じた孔をこじ開け始める。
「んん…」
背筋に走る悪寒と新たな痛みに、ウィルはあっさりと意識を手放した。


200 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 15:07:39 ID:w8ZOxc4w0
【名前欄】癒しの手7/13
【メール欄】sage
【本文】
「…気付かれましたか」
うっすらと目を開けたウィルの頭上に、穏やかな声が注がれた。
左手首に暖かなものが巻きついている。その瞬間、生暖かな触手の感触を思い出し
ウィルは飛び起きた。
緊張に身を固めながら回りを見回す。しかしそこは薄暗い地下室ではなかった。司教ほか
数人の信徒が彼を見つめている。左脇には、傷を手当てしてくれた教団付きの医者が座っている。
さっきのぬくもりは、脈を取る手だったのだろうか。
ウィルは清潔なベッドの上に寝かされていた。夜着は新しいものに着替えさせられ、触手との
接触などなかったかのように彼はこざっぱりとした姿に整えられていた。
「呼吸、脈拍、お顔の色も問題なし。少し休まれればすぐにお気力も回復されるでしょう」
医師はウィルの驚きなど意に介する様子もなく司教に見立てを述べている。
司教は一つ頷くと、ウィルの前に進み出た。
「ウィリウス殿。まずはお礼を申し上げねばなりません。昨夜の事、神はことのほか
お喜びのご様子であられました。」
深く頭を下げる。あっけに取られているウィルに対し、さらに司教は言葉を続ける。
「ごゆっくり、お休みくださいませ。しかる後に故郷に戻れますよう、手はずを整えましょう。
あるいはもし、幸いにも続けてお力添えを願えますのでしたら…」
「待ってくれ!」
叫び声は悲鳴に近かった。言いたいことは山ほどある、しかしありすぎて逆に言葉を選べない。
ウィルは必死で呼吸をととのえた。司教の目をまっすぐに見返しながら、なんとか探り当てた言葉を放つ。

201 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 15:19:19 ID:w8ZOxc4w0
【名前欄】癒しの手8/13
【メール欄】sage
【本文】
「あれが『神』なのか?」
誰も答えない。
「あんなものが神なのか、あんな触手の塊が人を癒す!?じゃあ、私は…昨日のあれは…一体…」
それ以上は言えなかった。地下室での出来事がまざまざと思い出される。生暖かい触手の
滴る粘液の響き、肌を這う感触…
壁に背を押し付け、身をかがめてウィルは黙り込んだ。その肩がかすかに震えている。
直接は答えず、司教は震えるウィルの肩に手を乗せると、そっとわき腹を指差した。
「ウィリウス殿。ご自身の目でお確かめください」
そう言われ、ウィルはおずおずと夜着を捲り傷を探す。
傷は治っていた。昨日は確かに血が滲んでいた所が、今は古傷のようにうっすらと白く浮かんで
いるだけである。慌てて袖をまくってみると、前腕の小さな傷は跡形もなく消え去っている。
呆然とした顔で司教と傷跡を交互に見つめるウィルに向って、司教はゆっくりと言葉をかけた。
「これが神の御業なのです」


202 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 15:21:23 ID:w8ZOxc4w0
数日後。ウィルはまだ教団を離れられずにいた。
医師の見立ては間違ってはいなかった。一日もすると体の疲れも取れ、自由に動き回れる様にまで
彼は回復していた。信徒達が留めだてしたわけでもなかった。彼らは常に一人以上ウィルの側にいたが
行動を制限するようなことはなく、専ら身の回りの世話に専念していた。ウィルが頼めば
すぐに水や書物を用意してくれる。頼めば、教団内外の事情について丁寧に教えてくれる。
おそらくウィルが頼めば、帰郷の用意もしてもらえただろう。だがそれを教団側から提案されることはないと
彼にはわかっていた。
教団はウィルを、必要ならば再び神への捧げ物にしようと考えている。それはあの日、呆然と傷跡を見るウィルを見つめる、司教の眼差しが雄弁に語っていた。
ここに留まる以上、ウィルはそれに従うということになる。
彼の触手への嫌悪感は、決して消えてはいなかった。
それでいて彼は、ここを離れる決意が出来ずにいる。
ウィルの気持ちを迷わせているものは、一つはわき腹の傷跡だった。一見古傷のような白い傷跡が
動かしようのない事実として体と記憶に刻み付けられている。
そして、もう一つ。ウィル自身があまり認めたくない後ろめたさ。
思いは複雑に絡み合い、ウィルの足をこの場所に押し留めていた。


203 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 15:25:16 ID:w8ZOxc4w0
すみません、>>202が9/13です。

【名前欄】癒しの手10/13
【メール欄】sage
【本文】
さらに十日も過ぎた頃だろうか。昼過ぎから振り出した雨は夕刻には嵐になり、雨粒が激しく
窓を叩いている。ウィルはその音を一人で聞いていた。常に側に控えていた信徒の姿もない。
夜更け頃から教団の動きが慌しくなっていた。聞けば、近くで戦いが行われたらしい。
負傷したものが次々と運び込まれてくる。医師が忙しく走り回り、矢継ぎ早に出される指示に
信徒達が機敏に対応する。手伝いを申し出たウィルだったが、司教がそれを断った。
「この様子では今一度、ウィリウス殿のお力をお借りすることになりましょう。
それまでどうか、お体を休めください」
その言葉の意味するところを、ウィルは正確に理解していた。
(考えよう…)
他には誰一人いない。雨音が心の雑念を追い払ってくれる。ウィルの気持ちはいつしか
かつての戦場へと引き戻されていた。

同じ部隊にいたのは、彼と同じような身の上の者ばかりであった。
名はなんといっただろう。漁師がいた。小間物屋のせがれだという者もいた。
ウィルより歳の若い者も、妻の髪を一房、懐に入れている者もいた。いずれも
本来の兵士ではない、徴兵されてきた者ばかりだった。
今、運び込まれている兵士達もまた、同じような身の上なのだろうか。慣れない戦いの場に
放り込まれ、嵐に紛れた奇襲に追い詰められ傷を負い、倒れ運び込まれているのか…
雨は止まないまま、外は朝を迎えていた。ウィルはそれにも気付かず、答えの見えない考えを
めぐらし続けていた。


204 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 15:27:25 ID:w8ZOxc4w0
【名前欄】癒しの手11/13
【メール欄】sage
【本文】
戸の外から声をかけられたのはその日の夜深く、じきに空も白みかけようかという頃であった。
いつの間にか雨は止んでいた。
「ウィリウス殿。お休みのところを失礼いたします。」
返事を待たずに戸が開けられる。姿を現したのは司教ただ一人。あの日と同じように恭しく膝を付く。
「我らが『神』の贄となり、お力をお貸し願いたい」
深く下げられた額に向かい、ウィルが答える。
「わかりました。…ただ、お話したいことがあるのですが」
「道々でよろしければ。ご同行いただけますか?」
「はい」
あの日とは違い、ウィルはしっかりと自分の足で部屋を出て廊下を歩き始めた。

もう一つ、あの日と違うことがあった。前回は返事も返せないウィルに対し、一方的に司教が
語りかけていた。今回は逆である。ウィルは、前を行く司教に向かい訥々と自分の心境を打ち明けていた。
「…私は、戦場から逃げ出してきました」
出来る限り率直に、胸のうちを伝える。言葉を飾る必要は感じなかった。
「怖かったのです。戦うことが…目の前で、人が死ぬことに耐えられなかった」
「無理からぬことにございます」
顔を向けることもなく司教が答える。
「お見受けしたところ、ウィリウス殿は本来の兵士ではないご様子」
「はい。粉引き屋の三男坊でした。ただ体力があるからという理由だけで徴兵さて
前線に放り込まれました」


205 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 15:31:53 ID:w8ZOxc4w0
【名前欄】癒しの手12/13
【メール欄】sage
【本文】
暗い廊下に二人の足音が響く。
「本当に嫌でした。誰の為かもわからないまま戦って死ぬなんて。いつか逃げ出してやろう
それだけを考えていた…本当に、自分が助かることだけを考えていました」
廊下は外廊下となり、大聖堂へと続く。二人はその中へ入っていった。

大聖堂の中は人で埋め尽くされていた。誰もが大きな傷を負っているように見える、だが苦しそうな
表情は見受けられない。ただ深く、規則正しい呼吸を繰り返している。
見知ったものはいないか―それと気付かないまま、ウィルは足を止めていた。気配に気付いた司教が戻ってきて、ウィルに声をかける。
「眠っているのですよ、皆。神はご自身のお姿を人に見られることを嫌っておられます。
だから地下にお住まいになられたと言い伝えられている。そのため、神の癒しを受けるものは皆
薬を飲んで眠ってから御元に向うのです。あの時のあなたと同じように」
ウィルは息を飲んだ。爪が掌に食い込むほど強く手を握り締めている。
「…私は眠ってなかった。なのに何故、傷を治されたのでしょうか。大体、なんで私なんかが
気に入られたのですか?私は…ただ逃げ出しただけの臆病者です」
司教は何も答えない。
大聖堂の最奥、小さな扉へと辿り着いた。信徒達は皆、怪我人の手当てに走り回っている。
二人で小さな扉を開き、ウィルが中へと足を踏み入れる。


206 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 15:36:07 ID:w8ZOxc4w0
【名前欄】癒しの手13/13
【メール欄】sage
【本文】
「私は逃げるとき、誰かを助けようなんて考えられなかった。今はその気持ちを埋め合わせる為だけに
人助けをしているつもりになっているだけなのかもしれません。…そんな気持ちで、神の元に行っても良いのでしょうか?」
「ウィリウス殿」
二人は扉を挟み、向かい合って立っている。司教が表情を和らげた。初めて見せる、慈愛のこもった瞳で
ウィルを見つめる。
「神の御前にあって全てのものは等しく同じ。癒されるべき『傷』に分け隔てがなされることは
ございません。恐れ多き事ながら、それこそが神の真意かと」
ウィルはゆっくりと夜着を脱ぐ。放り投げようとしたそれを司教が受け取った。
そのまま背を向けて、奈落の淵に立つ。司教が跪いたのか、背後で衣擦れの音が聞こえた。
扉が閉じられる。ウィルは一人、神が現れるのを待った。

[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!


207 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 16:13:10 ID:w8ZOxc4w0
規制他諸々の事情でナンバリングが大幅にずれてしまいましたorz
どなたか投稿お願いします。

208 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 18:48:00 ID:2DtTuDWs0
>>196
done.

209 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 19:02:29 ID:cqLB2XMw0
代行さんは乙…なんだけど、

(4)一度にテンプレAA含め10レス以上投下しないで下さい(連投規制に引っかかります)
  長編の場合は10レス未満で一旦区切り、テンプレAAを置いて中断してください。

っていう棚スレルールがあるのに、最初から13レスとはどうなのか

210 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 20:12:27 ID:w8ZOxc4w0
ごめんさないorz
13レスを二つに分けるつもりがいきなり規制&改行ミスでてんぱってしまいました

211 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 20:33:57 ID:w8ZOxc4w0
代行していただいた方、ありがとうございます。

どなたか後半お願いします。

【名前欄】癒しの御手
【メール欄】sage
【本文】
当たっているかもしれない、その考えは。苦笑いをかみ殺しながら、ウィルは横たわる触手のうち
一本を手繰り寄せる。前回はどうしたんだろう。考えて、それに軽く唇を触れ…思い切って先端を
口に含んでみる。奇妙な感触だった。触手は器用に動き回り、舌を絡め先端まで吸い上げる。
歯列をなぞり、口内に吸い付きながら粘膜をこすりつける。粘液と唾液の絡まる音がくちゅくちゅと
直接、頭に響く。飲みきれない唾液が一筋、こぼれて顎まで伝った。
口を触手に犯されるままに任せると、もう一本を手繰り寄せ、両手で優しく撫で始めた。
その弾力と暖かさを確かめるようにしっかりと指を絡ませ、揉みしだき、粘液のぬめりを借りて
手を上下に大きく移動させる。
ウィルの下半身はいっそうの熱を帯びてきた。男根は半ば立ち上がり、透明な先走りの体液が
滲み出している。それを受け止めるように、触手はさらに力を増し鈴口を数回擦る。男の本能に
忠実な快楽に、背を反らせて耐える。後孔を嬲る触手も徐々に力を取り戻してきていた。
ただ漫然と撫でていただけの触手が意思を得たように後孔を責めたてる。閉じられた孔の
皺の一本づつを舐めるように這い回る。先端をわずかにめり込ませ、ウィルの体が強張ったとたんに離れ
硬く張った会陰に場所を移し縮んで瘤のできた表面を擦り付ける。
咥えた触手に声を封じられたまま、ウィルはゆっくりと、確実に絶頂に向って追い上げられている。
手に抱いた触手を胸に押し付け、彼自身のもののように握り締めながら後孔への刺激に
慣れようと息を整える。

212 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 20:39:39 ID:w8ZOxc4w0
>>211は3/6に訂正お願いします。

【名前欄】癒しの御手4/6
【メール欄】sage
【本文】
口の触手がぬるりと這い出した。涎を伝い、先端で首筋に吸い付きながら身をくねらせて胸に張り付く。
つんと硬くなった乳首に身を摺り寄せ、収縮して強く揉み、転がすようにくねりながら下へと移動する。
ウィルに密着したまま大きく波打ち、下腹部へ、鼠径部へと這い降り、先端は吸い付いたまま乳首へと
移り軽く捏ね、強く吸い上げる。くすぐったさの中に、体の芯に響く疼きが混ざっていた。
「んぁっ!…あぁ…はぁ…あ……あっ」
ウィルは触手の感触に身を委ね、知らず知らずのうちに腰を動かしていた。男根の触手は
敏感な先端の括れを優しく揉みこんでくる。そのまま果てそうになるのを抑えながら、触手が
次の行動に出るのを待つ。
胸の触手がするりと滑り落ちる。そのまま内股まで降り、腿に巻きつきながら先端を双丘の間に
滑り込ませる。少しでも楽な姿勢で受け入れようと、ウィルは膝に重心を移して腰を上げた。
少し考え、手の触手を離して両手を床につく。大きく息を吐き、体の力を抜く。
唾液と混ざり合った粘膜が孔に押し当てられる。一瞬、肩に力が入った。手から離した触手が
肩をつたい口元に現れる。ウィルはためらいもせずそれを口に含む。そちらに意識を集中させ
後孔の違和感を忘れようとする。

213 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 20:40:47 ID:w8ZOxc4w0
【名前欄】癒しの御手5/6
【メール欄】sage
【本文】
ゆっくりと、孔が開かれた。
「ふぅ…ん…んぅ…っ」
入ってくる。普段、意識することもない内側の粘膜を押し開きながら、触手がゆっくりと伸縮を
繰り返し入ってくる。慣らされていたせいか、痛みはなかった。ただ経験したことのない異物感に
体が震え、膝が崩れそうになる。その腰を他の触手が支える。そのうちの一本がわき腹の傷跡に伸びた。
確認するように一撫でし、背中を這い耳元へ進む。耳朶を愛撫し、吸い上げるぴちゃぴちゃという音が
大きく聞こえる。音に犯される感触にウィルの心は強張りを解いてゆく。
「うぅん…ふぅ…んっ!むうぅぅっ…ふっぁ」
孔の触手が一旦下がり、再度奥へと進む。それが繰り返され、次第に動きが早くなる。
搾り出された粘液がウィルの内股をつたう。浅い息を繰り返し、腕を震わせながらウィルは全身に
触手の暖かな愛撫を感じていた。違和感は次第に消えてゆき、擦りあわされる粘膜が熱をおびて
違う感覚へと変わり始める。それに応じるかのように男根が激しく擦りあげられる。
喘ぎに細く、声高い嬌声が混ざる。
じりじりと焦らされた末に、ウィルは鼓膜がしびれるほどの勢いで白濁した精を発した。

214 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 20:41:34 ID:w8ZOxc4w0
【名前欄】癒しの御手6/6
【メール欄】sage
【本文】
ポタポタと床に落ちる精を、触手たちが掬い取る。うつろな瞳でそれを見つめながら
ウィルはゆっくりと崩れ落ちる。その体を触手が抱き上げ、その中に沈めるように覆いこみ
全身をなぞる。姿勢を変えられる瞬間、孔の触手がよじれ、粘膜に新しい刺激が走った
鈍痛にも似た快感が再び体の中心へと集まりだす。
暖かい触手の海に抱かれながら、ウィルは涙を流していた。痛みでもない。後悔でもない。
ただ訳もなく涙が流れ出す。
(これも神の癒しなんだろうか…)
漠然と考えるウィルの涙をおって、一本の触手が這い上がってきた。

215 :風と木の名無しさん:2012/09/16(日) 20:44:44 ID:w8ZOxc4w0
以上です。よろしくお願いします。

本当にぐだぐだですみませんil||li _| ̄|○ il||li
半年ROMって修行してきます。

216 :風と木の名無しさん:2012/09/17(月) 00:30:29 ID:YtMK08Nw0
>>215
投下完了!

投下しながら読ませてもらったけど
面白かったよ!ドンマイ!

217 :風と木の名無しさん:2012/09/17(月) 07:55:31 ID:836yZW1Y0
ROMると言うモンの例に習って再(ry
投下ありがとうございました!
色々と有難うございます。

218 :風と木の名無しさん:2012/09/22(土) 19:57:05 ID:n4kChWeU0
レベル不足のため、お手数ですがどなたか代行お願いします。

【名前欄】不誠実な恋人1/10
【メール欄】sage
【本文】

オリジナル。バカップルSMごっこ、何かとイタイ2人です。受けビッチ注意
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「おかえ…うぉっ!?」
譲はドアを開けた途端、出迎えた青年を突きとばした。
突き飛ばされた青年―宏夢は悪びれる様子もなく、意味ありげに譲を見返す。
「会ったんだ?」
「あぁ、エントランスで見かけたよ」
宏夢は納得したように頷いた。あえて神経を逆なでする態度に、譲はさらにイラつかされる。

二人は恋人関係だった―少なくとも、譲はそう考えている。同じ部屋に住み、体を重ねる
関係が続いている。しかし2人の性格はまるで正反対だった。
大学卒業後、さっさと就職し期待の新人として目をかけられている譲に対して、宏夢は
留年を繰り返しても苦にする様子もなく遊び歩いていた。クラブに入り浸り、友人宅を
渡り歩いて疲れきると譲の部屋に戻ってくる。
譲は、宏夢の遊び癖をある程度は容認していた。女を―あるいは男でも、自己責任で抱く分には
見て見ぬ振りをしている。しかし、宏夢が他の男に抱かれるのだけはどうしても許せなかった。
先程エントランスで会ったのは、宏夢自身が『縁を切った』と言っていた、彼を抱く男だったのだ。
譲が働いている間、二人の部屋に男を引っ張り込み好き放題に楽しんでいた。そう考えるだけで
譲の心は冷たさを増してゆく。物も言わず、彼は宏夢を乱暴に床に突き倒した。

219 :風と木の名無しさん:2012/09/22(土) 19:58:06 ID:n4kChWeU0
【名前欄】不誠実な恋人2/10
【メール欄】sage
【本文】

「…ったく、荒っぽいんだから、譲は」
転がされた宏夢は言葉こそ不満げなものの、むしろ事態を楽しんでいる表情に見える。
譲はできる限り冷静に言葉を続けた。
「荒っぽいのが嫌なら、人の言いつけ位守れよ。なんで俺らの部屋でよその男咥えこんでんだ?」
「僕だってたまには優しくされたいんだよ」
「それじゃ満足できないくせに」
「誰が仕込んだんだか」
悪びれた風もない答え。すぐにでも押し倒したい衝動を抑え、譲はネクタイを解いて宏夢に命じた。
「両手を出せ」
何かくれるの?と言わんばかりの表情で掌を広げて腕を伸ばす宏夢。その手首をネクタイで
緩く縛り、何も言わず譲は自分の寝室へ向った。クローゼットの一番下の引出から太い
バイブを取り出す。それを宏夢の掌に押し付けた。
「自分で入れろ」
「…いきなりは無理だよ」
「いきなりじゃないだろ。どうせさっきまでやってたんだろうが」
「こんなにデカくなかったなぁ」
「じゃあ自分でほぐして入れりゃいいだろ」
一見、冷たく突き放した態度。しかし宏夢はその状況にある種の満足を感じていた。
まず自分の指を一舐めし、バイブを咥える。そのままジーンズのファスナーを下ろし
下着ごと膝まで摺り下げると床に寝そべると腰だけを高く突き上げ、譲に見せつける
ように自分の尻穴をほぐし始めた。

220 :風と木の名無しさん:2012/09/22(土) 19:59:03 ID:n4kChWeU0
【名前欄】不誠実な恋人3/10
【メール欄】sage
【本文】

縛られた両手は器用には動かせない。塞がった口から甘えたような吐息を吐きながら
両の人差し指で懸命に孔を広げようとする。その時、体内に残ったままだった白濁した
体液がとろりと流れ出し、宏夢の内腿を伝った。
要は、『続き』があることを期待して、あえて洗い流さずに残していたのだ。
それに気付いた瞬間、譲は物も言わずに宏夢の口からバイブを抜き取った。抗議の
声を上げる暇も与えず尻穴にバイブをねじ込む。
「ちょっ、まだ無理!…っあ、痛っぁー…」
悲鳴を気にもせず押し込もうとする。何度か抜き差しし、精液が絡みバイブの滑りが
良くなったところで深々と差し込むといきなりリモコンのスイッチを入れ、それを
振動させた。
「ひぁっあぁん…んんあぁ…はぁ…あああぁ!」
「あんまデカい声出すなよ。それでなくても俺ら、近所に不審な目で見られてるんだからさ」
理不尽な言い分に、宏夢は恨めしそうな目を譲に向ける。それも無視して譲は自分の寝室に
戻っていった。
わざと時間をかけて部屋着に着替える。ベルトはクローゼットに戻さず、先をバックルに
通して持ち手になる輪を作る。クローゼットの一番下、最近は宏夢専用の小道具入れに
なってしまっている引出を探り始めた。
リビングからは宏夢の押し殺した嬌声が聞こえてくる。譲は、ボールで留めるタイプの
リングピアスとチェーンを選ぶと宏夢の元に戻っていった。

221 :風と木の名無しさん:2012/09/22(土) 19:59:47 ID:n4kChWeU0
【名前欄】不誠実な恋人4/10
【メール欄】sage
【本文】

宏夢は手首を縛るネクタイを噛み、声を抑えながら快楽に耐えていた。背を反らせ、体を
捩りながら恍惚とした表情を浮かべている。まだ射精はしていない。それらの全てが譲を
満足させる。
「これも。自分で付けろ」
そう言ってバイブのスイッチを切り、リングピアスを放り投げた。
一見して判らないが、宏夢の鈴口にはプリンスアルバートのホールが完成している。
一時期、宏夢の遊び癖を何とか改めさせようとした譲が無理矢理開けさせたものだった。
…もっとも、効果があったのはホールが完成するまでの数ヶ月の間だけだったが。自由に
付け外しができるようになると、宏夢は外した状態の不便さを気にもせずまた遊びまわる
ようになってしまった。
今、渡されたピアスを見て、宏夢は息を整え譲を睨む。
「これ、僕が嫌いなの知ってるくせに」
「だからだよ。お前の喜ぶことばっかりやってたらお仕置きにならないだろ?」
しばしの睨みあい。譲は再び、ごく軽くバイブを振動させる。宏夢は軽く舌打すると
身を屈めてピアスを付けようとした。
体を動かすとバイブの当たる位置が変わり、新しい刺激が体を震わせる。弱く絶え間ない
刺激が前立腺を撫で、息を荒げさせる。
「ぁあん…ん…ぁ、ああ…はぁ…っんんっ」
震える指で何とかリングを通す。先走りの体液に助けられ、一瞬、尿道口に鋭い痛みを
感じただけで、するりとホールに収まった。ただ、どうしてもボールを留められない。
指先が震え、滑り、何度付けようとしても簡単に落としてしまう。喘ぎながらそれを拾い
何とかしようと苦戦する宏夢を、譲は楽しそうに見つめている。
とうとう、宏夢が根負けした。
「お願い、譲。ボール、留めて…」

222 :風と木の名無しさん:2012/09/22(土) 20:00:42 ID:n4kChWeU0

【名前欄】不誠実な恋人5/10
【メール欄】sage
【本文】

譲はチェーンを見せ付けるように振りながら、宏夢に歩み寄った。チェーンの先には
小さな輪が付いている。
「俺がボール付けるとさ、これも一緒につけるけどいいんだな?」
目の前でチェーンを揺らす。宏夢はしぶしぶと頷いた。
リングにチェーン先の輪を通し、手際よくボールを留める。その途端、バイブを強め
チェーンを力いっぱいに引っ張った。
「ひいっ!…んあっはぁ…ん、くぅう…ふう、ぅうう…」
横様に倒れこんだ宏夢は今度は言われるまでもなく、自分から声を抑える。譲は宏夢の
男根に足指を置き、もぞもぞと動かす。宏夢がじれったい愛撫に自ら腰を振りそうになる度に
チェーンを引き、バイブの振動に強弱を付ける。再び、恍惚の色が宏夢の表情に浮かんできた。
低い振動音と甘い喘ぎ声だけが響く。譲は表情を押し殺したまま征服感を味わっていた。
『宏夢にこの喜びを教えたのは俺だ。こいつのこんな姿を見られるのは俺だけ―』
うっとりと見上げる宏夢の視線に気付かない振りをしながらチェーンを引き、手ごたえを
楽しむ。
「ひっ…いっ…ああぁ…。譲…はぁ…お願い。イかせ…て…」
宏夢の目に涙が滲んでいる。それを見るだけでもゾクゾクする。浮ついた声にならないよう
注意しながら、譲は意地悪な質問を出した。
「何回イった?」
「…え?」
「今日だよ。奴に抱かれて何回イったのかって聞いてんだ!…答えたら、イかせてやる」
言いながらチェーンを一層強く引いた。宏夢は悲鳴を上げて仰け反り、反動で強くバイブを
咥え込み湧き上がる快感に耐えようと床に身を伏せて呻き声を上げる。強すぎる刺激を何とか凌ぎ、声を震わせながら答えた。
「…3回」

223 :風と木の名無しさん:2012/09/22(土) 20:02:12 ID:n4kChWeU0
【名前欄】不誠実な恋人6/10
【メール欄】sage
【本文】

一気にバイブの動きが激しくなった。同時に男根を揉む指に力を加え、半ば踏みつけるように
強く根元からしごき上げる。長く焦らされた体は抵抗することもなく、絶頂へと上り詰める。
「ああぁっ!はぁっぁああーーー…あぁ、は…ぁっ、あっあぁ…ふぅ…ぁああっ」
出口をピアスで塞がれて射精は勢いを失い、だらだらと長引く間中、絶え間ない絶頂間が
宏夢を飲み込む。そのうえ前立腺を激しく捏ねられ、男根を踏みつけられ逃げることもできずに
涙を流しながらネクタイを噛み、嬌声を押し殺し続ける。

ようやく精液の流れが途切れてきた。バイブを止めると嬌声も止み、半ば朦朧としているのか
宏夢はチェーンを引かれるたびに体をぴくりと動かすだけで、ひたすら荒い息をついている。
その口元に、譲は無言で足先を近づけた。
宏夢もまた無言で、その足を舐める。自分の精液を綺麗に舐め取るように、指の間まで
丁寧に舌を這わす。これは譲が教え込んだことだった。

「さて、と」
丹念に足指を舐めさせ終わると、譲は宏夢の脚から衣服を抜き取り一人用のソファに
座らせた。チェーンを短めに噛ませ、自分で自身を持ち上げさせる。
さっき用意しておいたベルトの輪に手を通し、見せ付けながら大きく振りかぶる。
宏夢は命令もされないままソファの肘掛に脚を乗せ、腰を突き出した。
「3回イったんだよな?」
宏夢が頷く。
「反省してんのか?」
挑発するように微笑み、首を横に振る。
「じゃあ、仕方ないな。お仕置きだ」
振りかぶられたベルトが空を切った。

224 :風と木の名無しさん:2012/09/22(土) 20:03:02 ID:n4kChWeU0
【名前欄】不誠実な恋人7/10
【メール欄】sage
【本文】

「ひぃっ!」
宏夢は悲鳴を上げた。振り下ろされたベルトは狙いを外さず、強かに内腿に打ち付けられた。
白い肌に赤いベルトの跡がくっきりと残る。明日には痣になっているだろう。その事実が
譲を興奮させる。明日の会議の事、提出する書類、できるだけ気をそらしながらもう一度
ベルトを振りかぶる。同時にバイブのスイッチを入れる。すぐに甘い声が響きだした。
「ほんっとうに仕方ないな、お前。俺を怒らせて楽しいか?」
否定。首を横に振る。
「じゃあなんで浮気してんだよ。俺と別れたいのか?」
答えはない。陶酔したように譲の目を見つめ返す。
再びベルトがしなった。今度も外すことなく、会陰をまともに打つ。声にならない悲鳴が上がった。
仰け反った拍子にチェーンを引っ張ってしまい、鈴口に鋭い痛みが走る。タイミングを
見計らって譲はバイブの振動を最強にする。ソファに体を預けた宏夢は狂ったようによがり
喘ぐが脚を下ろそうとはしない。懸命にチェーンを噛み、ネクタイを口に押し当て、何とか
声を抑えて譲に向き直る。
「打たれて感じてんのかよ、変態」
誰が仕込んだのだか―ぼんやり考えるだけで答えない。
「あと一打ち残ってるけど。これじゃあお仕置きにならないよなぁ、お前喜んでるし。
このまま止める?」
全く止める気などなさそうに、譲は焦らす。ベルトを見せ付けるだけで動かさない。
我を忘れ悦楽に浸る宏夢の姿を、再び硬さを持ち始めた男根を、チェーンを噛む口元を
じっと見ている。

225 :風と木の名無しさん:2012/09/22(土) 20:04:57 ID:n4kChWeU0
【名前欄】不誠実な恋人8/10
【メール欄】sage
【本文】

俺が仕込んだ―奔放な性格に、貪欲な体に、従うという悦びを教えたのは自分だ。
他の誰でもない、自分だけがこの宏夢の嬌態を見ることができる。その思いにしばらく
身を委ねた後、譲は三度目、ベルトを振りかぶる。
「宏夢。お仕置きが欲しいか?」
宏夢はゆっくりと頷いた。顔をあげチェーンを引っ張る。精神的な充足感がそうさせるのか
何度も果てたと思えない程に彼自身は固く張り詰めている。
その欲望の中心を目指し、譲は力一杯にベルトを振りぬいた。
「ひぅっ!ぅあーーーあぁああーーーっ」
チェーンが口からこぼれた。痛みとも快楽ともつかない刺激に、声を限りに叫ぶ。
力むほどに深く、強くバイブを咥え込み、電流のような快感が頭まで突き上がってくる。
ピアスの隙間から白濁した液が溢れ始める。譲はそれを見逃さなかった。すぐさまバイブを
引き抜くと宏夢を床に押し倒す。彼の気持ちはすでに宏夢の嬌態に煽られ、男根は硬さを
帯び始めている。それ以上前戯を楽しむ必要もなく、宏夢の脚を肩に抱えあげると尻穴に
自身をあてがい、一息に深くまで叩き込んだ。
「ひぃっ…ぁああっ、はぁ、あっはぁ…」
バイブとは違う熱さに、穿つ動きに粘膜を嬲られながら、宏夢は必死に腕を伸ばした。
無理な姿勢で譲の首に手首を回し、より深くまでその感触を味わおうと体を摺り寄せてくる。
突き上げられるたびに、かすれた声と精液の雫が零れ落ちる。宏夢が感じるたびに下腹部が
ひくひくと動き、粘膜が譲の昂りを包み込み締め付ける。譲はわざと安定しないリズムで
責めたてた。深く突かれることに慣れると浅く引き抜き、角度を変えて先端で前立腺付近を
擦りあげる。何度も繰り返され、悲鳴をあげる宏夢が腰を動かそうともがくのを押さえつけると
一気に最奥まで突き上げて体を抱き起こし、彼を自身の上に座らせた。

226 :風と木の名無しさん:2012/09/22(土) 20:06:15 ID:n4kChWeU0
【名前欄】不誠実な恋人9/10
【メール欄】sage
【本文】

男根を咥える結合部だけで体重を支えられる体勢。もう力も入らない宏夢の体を、譲は
強引に引き寄せる。縛られたままの手首が背中を叩き、何かを訴えようとするがそれを相手にせず
しばし動きを止め、宏夢の体の温もりを腕の中に感じる。汗ばんだ肌が密着し、息遣いが
直接、胸に伝わってくる。
やがて、宏夢が口を開いた。上の空のように、呂律の回らない言葉で語りかける。
「ゆず…る…譲が…イかせ…て」
もう我慢も限界だった。譲はそのまま宏夢を持ち上げ、落し、捏ねるように腰を突き上げる。
人形のようにがくがくと揺さぶられ、宏夢は密着した粘膜が溶ける様な熱を感じながら
抑えようともせず嬌声を上げ続けた。
やがて譲が果て、宏夢の体内に精を放った時。宏夢もまた、体の奥底から湧き上がる快感に体を貫かれ、半ば意識を失いながら譲にしがみついていた。
射精のないオーガズム―これもまた、譲だけが彼に教えたものだった。

227 :風と木の名無しさん:2012/09/22(土) 20:07:13 ID:n4kChWeU0
【名前欄】不誠実な恋人10/10
【メール欄】sage
【本文】

「床、フローリングでよかったねー」
全くの他人事のように宏夢は呟いた。動くのも面倒臭いのか、裸のまま床に寝そべっている。
「フローリングも濡れたら傷むだろ」
「カーペットとかより全然マシじゃん」
呆れて言葉もなく、譲は背を向けた。あんまり甘やかしたくはないが、どのみち掃除は
しないといけない。宏夢ははなから動く気などなさそうだ。
譲の内心の腹立たしさを見抜いたようなタイミングで、宏夢が笑いかけた。
「いいじゃん、また当分、譲専用の宏夢になるんだから」
「…は?」
振り返ると、宏夢は付けたままのプリンスアルバートを指差している。強く引っ張りすぎた
せいかホールから血が滲んでいる。
「こいつが安定するまではね」
ピアスを爪で軽く弾くと、そのままごろりと寝返りをうつ。たらりと溢れ出した精液が
床に新しい染みを作る。
結局、声も漏れてただろうし―。譲は安い賃貸の部屋を見回し、頭を抱えた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


228 :風と木の名無しさん:2012/09/22(土) 20:09:05 ID:n4kChWeU0
以上です。長文ですみませんがよろしくお願いします。

229 :風と木の名無しさん:2012/09/24(月) 00:42:34 ID:nJg5RofQ0
>>228
投下完了です。

本スレで支援して頂いた方、ありがとうございました。

230 :風と木の名無しさん:2012/09/24(月) 07:48:10 ID:k3fVG8PA0
218です。
代行いただいた方、支援していただいた方ありがとうございます。

231 :風と木の名無しさん:2012/09/27(木) 11:03:08 ID:t99gyYOI0
【名前欄】4-8/8 その名は九月
【メール欄】sage
【本文】http://morara.kazeki.net/upload/img/088.txt

連続投稿にひっかかったうえ、こちらに投下代行をお願いしたつもりが
書き込みできていませんでしたorz
投下してくださっている方がいるようですが、改めて書き込みします。
お願いいたします。

232 :風と木の名無しさん:2012/09/27(木) 15:55:12 ID:unul6J5U0
231です
Or60cnPt0さんありがとうございました!

233 :風と木の名無しさん:2012/09/29(土) 00:56:11 ID:JQ+niJ460
規制が解除されない為、どなたか代行願います。

【名前欄】託卵
【メール欄】sage
【本文】

オリジナル触手もの。一応、癒しの御手の続編ですが単発でも読めるように書いたつもり…です。
タイトルどおり卵ネタあり、ややグロ気味注意。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

神は繁殖を望んでおられる―司教からそう告げられたのは、ウィルがこの教団に流れ着いてから
一年近くはたった頃だった。
ここ最近は戦いも小康状態となり、神の治療を必要とする者は少なくなっている。今この時期に
ウィルの力を借り、己を繁殖させ、さらに力が必要となった時に備えることが必要なのだと。
「これはウィリウス殿におかれましても幸いな事。それだけ、御眼鏡に適われたということです」
いつになく嬉しそうに語る司教に促されるまま、ウィルは大聖堂へと脚を運んだ。もとより彼は
教団側の申し出を断るつもりなどない。ここに身を寄せている以上、教団と、彼らが神と崇める
触手に対する尽力を惜しむつもりなどはなかった。抵抗さえしなければ、触手は決してウィルを
傷つけるようなことはしない。ただ奈落の底で彼の体を弄び、精を絞りつくして己の養分とし
再び彼を地上に帰す。そんな奇妙な形であれ、自分の存在が最終的には人の傷を治す力となる―
そう思えばこそ、彼はこの地に残る事に決めていたのだ。
ただ、繁殖というのは初めて聞かされた言葉だった。事情はよく飲み込めないまま、大聖堂の最奥の
奈落へと続く小部屋へ向う。最近では常にそうするように、衣服を脱いで司教に手渡す。背後で扉が
閉められるのを感じる。
程なくして、神が姿を現した。いつもと同じく、二本の長い触手を伸ばしてウィルの体を絡め取る。
そのまま器用に奈落へ引き込み、地下に開く花のように白く光る触手群の本体へと彼を引き寄せる。
彼の体に向って待って、一斉に無数の触手が伸び上がる。今までの夜伽となんら変わることのない流れ
であった。

234 :風と木の名無しさん:2012/09/29(土) 00:57:42 ID:JQ+niJ460
先のは1/7です。不手際ですみませんorz

【名前欄】託卵2/7
【メール欄】sage
【本文】

触手の群れはたちまちウィルを捕らえ、その肌に滑る粘液を擦りつけ始める。手足に、胴から鼠径部へと
心得たようにウィルの敏感な部分へと巻きつき、するすると這い回る。愛撫に応じ、ウィルはすぐに
体が火照り始めるのを感じた。何度となく繰り返された行為だった。いまさら恥じることもない。
そのまま触手に身を委ね、感じるままに吐息を漏らす。やがてその触手たちが代わる代わる彼の中に
侵入し、官能を昂ぶらせ、焦らせた末に最後の一滴まで精を吐き出させてやっとウィルの役目は終わる。
今回もそのつもりで覚悟をして彼は待った。
触手は体を這い回りながら、ゆっくりと彼の姿勢を変えてゆく。両腕を後手にまとめて無防備になった
胸に吸い付き、乳首を転がすようになぞる。膝を少し持ち上げながら脚を開かせる。その間に割って入った
触手が、迷うことなくウィルの後孔を探り当て、先端を滑り込ませて柔らかくこねた後、じりじりと
伸縮を繰り返し、奥まで入り込んでくる。
「はぁ、ん…あぁあ、はぁ、あ…ぁあ…」
何度犯されても慣れることのない、しかし、確実に体に馴染んだ感触にウィルは声を上げた。
体内の粘膜を擦られる甘い疼きに、彼自身が徐々に固さを帯び始める。時折、つんと突き上げられる
ように快楽に直接触れる部分に触手が当たり、その度に腰がひくつく。夜伽を重ねるうちに教え込まれた
快感。そのまま触手は彼の中で蠢き、中を押し広げようとするように腸壁を擦る。その動きに煽られ
息を弾ませながら顔をあげた瞬間、見たことのない光景がウィルの目に飛び込んできた。
後孔を穿つ触手に、新たに二本の触手が絡みつきながらウィルに向って伸びてくる。荒い縄目のように
互いに捻れあいながら、勢いよくウィルの孔を目指して伸びてくる。その太さに彼は息を飲んだ。
咄嗟に逃げようと引いた腰を、支える触手が強引に引き戻し、半ば自分から受け入れる形で新たな
二本の触手が双丘を割って後孔に潜り込む。
圧倒的な圧迫感が、痛みとともにウィルを切り裂いた。

235 :風と木の名無しさん:2012/09/29(土) 01:00:04 ID:JQ+niJ460
【名前欄】託卵3/7
【メール欄】sage
【本文】

「ひぃああああああああ!ああっああぁぁううああぁぁっ!」
三本の触手は絡まりあったまま伸縮し、孔を限界まで引き伸ばしながら激しく抜き差しを繰り返す。
内臓を滅茶苦茶にかき回される苦しさにウィルは絶叫した。押しこまれるたびにじゅぶり、と音を立て
生暖かな粘液が搾り出され、尾骨を伝い落ちる。腕はいつの間にか後手から解かれ、孔を犯す触手に
向かい引き込むような形で伸ばされている。本人の意思とは裏腹に、体は触手に絡めとられ、後孔の
伸縮と息を合わせる形で小刻みに腰を突き上げ、さらに奥まで迎え入れようと体を開く。宙吊りのまま
身動きも取れないウィルは、なんとかその圧迫感を紛らわせようと唯一動く首を振り、浅い息を繰り返した。
触手はウィルを犯しながら、彼を自分の中央へとさらに引きずり込む。一本ずつ、別の触手がウィルの
体に纏わりつき、肌の隙間を舐めるように踊る。激しすぎる陵辱にウィルの意識が遠のきかけた時
後孔の触手は動きを変えた。彼の中で寛ぐように解れ、一本が孔の際ギリギリまで浅く引き抜く。
圧迫感が和らいだ瞬間、別の一本が同じように引き抜かれ、同時に先の触手が最奥まで突き込まれる。
三本がそれぞれ自在に動き、腸壁を押し上げながら同時に引きずりだし、最奥を刺激しながら孔の
浅瀬を突付きまわる。休むことなく交互に抜き差しを繰り返しながら、やがて触手はウィルの一番
敏感な部分を探り当て、そこを重点的に突き上げ始めた。
「っ…ふぁっ…ああぁ!あっあぁ…はぁっああぁ…っ!」
感じたことのない異様な感覚から、本能を直接揺さぶる強烈な快感へと刺激が一変する。続けざまに
責められ、ウィルの男根は一度も触れられないまま硬く反り返り透明な先走りの体液が腹に滴り始めた。
後孔は粘膜が蕩けたように心地よく、刺激はそのまま男根の先まで弄るように広がり、彼を否応なしの
絶頂感へと押し上げてゆく。
と、その時、急に腰ががくんと持ち上げられた。衝撃で一際強く粘膜を擦られ、ウィルは一気に精液を
吐き出す。途切れ途切れに喘ぐ彼の口元に、白濁した体液が降りかかる。何が起こったのかも
わからない内に、彼の精液は触手に集められ、口の中に流し込まれた。

236 :風と木の名無しさん:2012/09/29(土) 01:03:28 ID:JQ+niJ460
【名前欄】託卵4/7
【メール欄】sage
【本文】

急に開放された腸内はどこか頼りなく、埋める物を求めてひくひくと痙攣する。繰り返し射精を強要
させられたウィルは文字通り、精も根も尽き果ててその場にうずくまる。その体が再び抱え起こされた。
今度は宙には浮かせず、膝立ちのまま突起物の上まで体を運ぶ。締まりきらない後孔が突起物の先端に
触れたとき、体から一度、全ての触手が離れ、ウィルはその上に強制的に座らされた。

「ひぃうっ!…」
自重で半分ほどまで、それは一気にウィルを串刺しにする。触手と違い、滑らかさも柔らかさもない
それは一切収縮せず、熱い表面でウィルの腸壁を押し広げる。じりじりと体が沈む。それにつれ、その
熱さが奥へと進むのが感じられる。突起物は充分に緩められた孔にもきつく、ウィル自身のぬめりを
借りてなんとか少しずつ、体が沈んでゆく。
ウィルの太股にそれぞれ触手が巻きついた。それが体を下に引きおろそうとする。肩にも、腰にも
巻きつき彼を下へ下へと押しやる。やがて、双丘の肉が下に触れた。ウィルは触手群の中心に、王座の
ような一本の花芯に貫かれ座らされたのだ。
咥え込まされた突起物は脈打ち、熱を発しウィルを内側から責める。生々しい、生物の感触。前後に
倒れそうになるウィルの体は触手に支えられ、朦朧としながら彼は突起物の上に座り込んでいる。
ふいに、脈動が強くなった。心臓の鼓動のように規則正しく、大きく脈打つ。その度に粘膜が擦られ
新たな刺激をウィルに与える。さらにそれは震え始めた。微かな振動は徐々に大きくなり、ウィルを
揺さぶる。力なく開いていた唇からまた、途切れながら掠れた声があがる。
いきなり、孔に強い衝撃が走った。三本の触手より、突起物より大きい何かが孔を通り抜けようとしている。
孔に鋭い痛みが走る、しかしその何かは容赦なく突起物を通り、ウィルの体内にねじ込まれる。
「ひぃぎ…」
経験した事のない痛みに全身が引き攣る。それはじりじりとせり上がり、突起物から吐き出され
ウィルの下腹部を内側から殴りつけるように体内へと吐き出された。それが入る隙間を作るためか
ウィルの体が少し持ち上げられる。目をやると、内腿に血が流れているのが見える。

237 :風と木の名無しさん:2012/09/29(土) 01:13:29 ID:JQ+niJ460
すみません、>>236は取り消しさせてください。
あと、ナンバリングを○/8に変更させてください。

【名前欄】託卵4/7
【メール欄】sage
【本文】

「…んん…んんん…」
舌を押さえ込まれ、吐き出す事も飲み込む事も出来ずにウィルは自分が放った体液を味わされる。
孔虐は続いていた。しかし声まで抑えられ、ウィルには快感を逃がす手立てがない。息をすることも
ままならないままさらに引き込まれ、ウィルは初めて見る、触手の花芯とも言うべき物の側に下ろされた。

大きさは子供の前腕位だろうか。それは触手とは違い、揺らぎもせずにすっくと立っている。むき出しの
筋肉のように赤黒く、燐光も放っていない。その先端に、ウィルの頬が擦り付けられる。乾いていて
ざらりとした肌触り。体温よりもわずかに熱く、弱く脈打っている。その突起物の上で突然、口内の
触手が引き抜かれた。同時に精液をかき出され、突起物に塗りつけられる。鼻の奥に広がる雄の臭いに
むせながら、自由になった口で大きく息を吸い込み、再びウィルは声を上げる。
「あぁんん…はぁあっあっ!…ぁああ…あっあぁ…!」
三本の触手は飽きることなく孔を貪り、ウィルをつつけざまに絶頂へと導く。わななきながら放たれた
精液は全て突起物に集められ、それ自身が精を放つ男根のような姿をなしてゆく。数本の触手が
持ち上がりウィルの顔をその突起物に押し当てた。頬を押し付け、顎を持ち上げると無理矢理口を
こじあけ彼に突起物を含まそうとする。
(舐めろ、ということか?)
そっと突起物に舌を這わす。押し付けられる力が緩んだ。やはりそのつもりのようだ。いつのまにか
自由になった両手を下に付き、唇で軽く突起物を咥え、舌を添えてゆっくりと根元へと引きおろす。
肘と膝で不器用に這いながら、突起物の全面が精液で覆われるように舌で舐め広げる。その間も後孔は
触手が蹂躙し、腸壁をつつきながら押し広げられ、粘液がたてるぐちゃぐちゃという音が途切れる
ことなく地下室に響く。

238 :風と木の名無しさん:2012/09/29(土) 01:14:47 ID:JQ+niJ460
【名前欄】託卵5/8
【メール欄】sage
【本文】

ウィルはもはや、声を張り上げる力もなかった。唇の隙間からだらしない嬌声を漏らしながら、触手が
満足するまでただひたすら突起物を舐め続ける。
やっと、孔から触手が抜かれた。一度にずるりと抜け出る感触に息を詰まらせ、ウィルはその場に崩れ落ちた。
急に開放された腸内はどこか頼りなく、埋める物を求めてひくひくと痙攣する。繰り返し射精を強要
させられたウィルは文字通り、精も根も尽き果ててその場にうずくまる。その体が再び抱え起こされた。
今度は宙には浮かせず、膝立ちのまま突起物の上まで体を運ぶ。締まりきらない後孔が突起物の先端に
触れたとき、体から一度、全ての触手が離れ、ウィルはその上に強制的に座らされた。

「ひぃうっ!…」
自重で半分ほどまで、それは一気にウィルを串刺しにする。触手と違い、滑らかさも柔らかさもない
それは一切収縮せず、熱い表面でウィルの腸壁を押し広げる。じりじりと体が沈む。それにつれ、その
熱さが奥へと進むのが感じられる。突起物は充分に緩められた孔にもきつく、ウィル自身のぬめりを
借りてなんとか少しずつ、体が沈んでゆく。
ウィルの太股にそれぞれ触手が巻きついた。それが体を下に引きおろそうとする。肩にも、腰にも
巻きつき彼を下へ下へと押しやる。やがて、双丘の肉が下に触れた。ウィルは触手群の中心に、王座の
ような一本の花芯に貫かれ座らされたのだ。
咥え込まされた突起物は脈打ち、熱を発しウィルを内側から責める。生々しい、生物の感触。前後に
倒れそうになるウィルの体は触手に支えられ、朦朧としながら彼は突起物の上に座り込んでいる。
ふいに、脈動が強くなった。心臓の鼓動のように規則正しく、大きく脈打つ。その度に粘膜が擦られ
新たな刺激をウィルに与える。さらにそれは震え始めた。微かな振動は徐々に大きくなり、ウィルを
揺さぶる。力なく開いていた唇からまた、途切れながら掠れた声があがる。
いきなり、孔に強い衝撃が走った。三本の触手より、突起物より大きい何かが孔を通り抜けようとしている。

239 :風と木の名無しさん:2012/09/29(土) 01:15:34 ID:JQ+niJ460
【名前欄】託卵6/8
【メール欄】sage
【本文】

孔に鋭い痛みが走る、しかしその何かは容赦なく突起物を通り、ウィルの体内にねじ込まれる。
「ひぃぎ…」
経験した事のない痛みに全身が引き攣る。それはじりじりとせり上がり、突起物から吐き出され
ウィルの下腹部を内側から殴りつけるように体内へと吐き出された。それが入る隙間を作るためか
ウィルの体が少し持ち上げられる。目をやると、内腿に血が流れているのが見える。)5
さらにその下、少しだけ見える突起物の根元がもう一度、大きく膨らんだ。ふくらみはゆっくりと
しかし確実に上へと押し上げられる。孔に新たな痛みが走り、腸内が一杯に膨れ上がった熱い突起物
に埋め尽くされる。
気の狂いそうな痛みと快感の末、二個目のそれが体内に放出された。下腹部が重く、吐き気が襲う。
さらに引きずりあげられ、三個目のそれが突起物を通って上がってくるのが見えた。内腿を伝う血の筋が太さを増している。
「…もう…ふうぅ、あぁ…許して…」
耐え切れずにウィルは呻いた。しかし、それを聞くものは誰もいない。三個目もゆっくりとせり上がり
散々にウィルの性感帯を押し苛んだ後、体内に放出された。

三個目が押し出された後、ウィルはやっと突起物から体を抜かれた。不安定に吊り上げられ、ゆらゆらと揺れるつま先から血が滴り落ちている。傷が深いのだろうか―疲れ切ったウィルには想像も付かない。
一本の触手が後孔に伸び上がってきた。また入ってくるのか?ウィルは宙吊のまま恐怖に襲われる。
しかしそれはしばらく後孔をなぞり、一度浅瀬まで差し込まれただけでするりと抜けていった。
痛みから解放され、放心したまま、彼は地上へと運ばれていった。

240 :風と木の名無しさん:2012/09/29(土) 01:16:14 ID:JQ+niJ460
【名前欄】託卵6/8
【メール欄】sage
【本文】

小部屋の外、大聖堂の中には湯をはった盥がおかれ、信徒たちが夜伽から帰ったウィルの体を丁寧に
洗い清めてくれる。
いつもは嬉しい心使いも、今日のウィルには気の重いものだった。明らかに触手の粘液とは違う
白濁した液体が自分の顔にも、髪にもこびり付いているのがわかる。それを見られるのがどうしようも
なく恥ずかしかった。
しかも、今回はそれだけでは終わらなかった。連絡を受けたらしい司教と医師が駆けつけ、ウィルに
予想外の言葉を投げかけたのだ。
「失礼ですが、体内を拝見させていただきたい」
そう言われ、ウィルは促されるままに四つん這いになって尻を医師に見せる。きっちりと法衣を纏った
信徒達に囲まれた中、一人素裸のまま医師に後孔を開かれる。間近で見られているのか、息が会陰に
かかる。声を上げないよう、体が震えないように唇を噛み、ウィルは恥辱に耐える。
「さっき、血が流れていましたが…」
「ああ、もう傷はありません。神が治されたのでしょう」
こともなげに医師は言う。永遠にも感じられる間、ウィルの孔を広げじっくり観察した後、医師は
厳かに司教に告げた。
「無事、抱卵されています。三個確認できました」
低いどよめきが信者たちからあがった。だが、ウィルにはまるで何がどうなっているのか判らない。
とりあえず身を起こそうとしたとき、下腹部でごろりと硬いものが動くのが感じられた。
その重みに、突起物から送り込まれた硬い物体の存在を思い出す。
ほうらん―抱卵?まさか、自分はあの触手に卵をうみつけられたのか?あの触手が体内に残っている…?

241 :風と木の名無しさん:2012/09/29(土) 01:24:45 ID:JQ+niJ460
>>240は7/8の間違いです。訂正お願いします。

【名前欄】託卵8/8
【メール欄】sage
【本文】

呆然とするウィルの前に、司教以下信徒達が一斉に跪いた。司教は喜びに顔を高揚させ、祝辞を述べる。
「ウィリアス様。神はあなたを自らの依代として選ばれ、そのお体を借りて新しい生をこの世に送り
だそうとされている。神にお力添えを出来るのは今はウィリウス様ただお一人のみ。何卒、その御身を
神の為に捧げられ、末永く我らが教団の至宝として…」
だがウィルは録に司教の祝辞など聞いてなかった。敬称が変わった事にさえ気付かない。
自分が神の子を生む?今体内に卵が宿っている…?
頭がくらくらする。恭しくかしずく信徒たちに見守られながら、一年前には想像だにしなかった事態に
ウィルは言葉もなく司教と、医師の顔を代わる代わる見つめていた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

242 :風と木の名無しさん:2012/09/29(土) 01:26:49 ID:JQ+niJ460
以上です。
今回もまたぐだぐだしてしまい、申し訳ございません
il||li _| ̄|○ il||li
どなたか時間のある時にでも、代行していただけるとありがたいです。

243 :風と木の名無しさん:2012/09/29(土) 18:12:45 ID:S+oSUOpg0
>>233-242
完了です

244 :風と木の名無しさん:2012/09/29(土) 19:56:26 ID:JQ+niJ460
>>243
ありがとうございます、助かりました。

245 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 03:58:00 ID:RY6X8VBw0
すみませんが、規制が不安なためこちらに投稿させてください。

【名前欄】幼生の公案1/11
【メール欄】sage
【本文】

オリジナル触手もの。幼生触手の育児話ですが8割方人間絡みです。長くなったので2分割します。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

抱卵から七日目。卵は順調に孵化し、ウィルの体内では三体の幼生がすくすくと成長していた。
もっとも、ウィルにとっては順調と言いがたいものではあったが。
一体目が孵化した際、医師によって丁重に殻が取り出された。ウィルが浅く椅子に座り、上体を
倒して背もたれに預ける。信徒らが両脚を広げて抱え上げ、その前に医師が陣取る。ランタンの
明かりを頼りに長い箸を差し入れ、割れた殻を一つずつ掴み出したのだ。
箸には、ウィルの腸壁を―あるいは幼生を傷つけないように、丁寧に布が巻かれている。その
箸先が粘膜に触れるたび、ウィルは思わず声を上げてしまう。
「ぁあん…ひぃ…っ」
歳若い信徒の中には目のやり場に困り、ひたすら壁を見つめている者もいる。が、医師も、立会いの
司教も到って淡々と作業を進めている。箸が滑り、腸壁を強く擦る。ウィルは思わず腰を浮かせた。
「申し訳ございません。何分慣れない施術なもので…」
医師は心底恐縮した表情で謝罪すると、しっかりと殻を掴もうとさらに深く箸を入れた。
「ひゃぁっ!…いやぁっあの、もう少し他の…はぁ…方法はないのでしょうか…自然に排出される
のを待つ、とか…んんっ…」
「それでは体内を傷つけてしまう恐れがあります。少しだけ、ご辛抱くださいませ」
本心から気遣っているのであろう司教の言葉も、今のウィルには恨めしく感じられてしまう。
やがて破片の一つがゆっくりと引き出されてきた。医師は箸で器用に孔を広げて固定すると
あらかじめ濡らした指を差し入れ、破片を摘んで括約筋を傷つけないようそっと抜き取る。
「…ぁあぁぁ…はぁ…」
大きな破片が摘出された。司教はそれを受け取り、感慨深げに見つめている。

246 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 03:59:00 ID:RY6X8VBw0
【名前欄】幼生の公案2/11
【メール欄】sage
【本文】

「後は小さなものばかりですよ」
励ますように医師は声をかけるが、ウィルはすでにそれを聞いていない。再び箸で腸内を探られ
あまりのいたたまれなさに信徒と同じく壁を見つめながら、彼は願わずにはいられなかった。
(お願いだから後の二つは同時に孵化してくれ…)
結局、願いは叶わなかった。卵は一日置きに孵化し、動く幼生の為に摘出の施術はその度に
困難になってしまったのだった。

幼生は日々活発に動き回るようになっている。母性本能とは縁のないウィルにも、それ自体は
嬉しいことだった。しかし、今度は別の問題に悩まされるようになってきた。
とにかく動き回るのだ。小さいながらも力は強いのか、少し動くたびに細くしなやかな触手が
手加減なしに腸壁を突付きまわす。四六時中煽られ、姿勢を変えても体内からの刺激から逃げる
方法もなく、涙のように透明の雫を滴らせる男根を必死に夜着で隠しながらベッドに臥せって
袖を噛み締め、ただ快楽に耐えるしかなかった。見かねた付き添いの信徒が一度、遠慮がちにいっそ
自分で抜いてしまってはどうかと提案してきたが、彼は断った。神が彼に卵を託したという事は
つまり、彼が幼生に精液を与えることを期待しているのだろう。それを無駄に放つのは気が引ける―
帰依した訳でもないウィルの、妙に律儀なその言い分に信徒は呆気に取られつつ、司教に相談すると
言い残しその場を離れた。

247 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 03:59:58 ID:RY6X8VBw0
【名前欄】幼生の公案3/11
【メール欄】sage
【本文】

「滋養を求められているのですね。十日もすればご自身で摂取できるようになりますので、それまで
ご辛抱ください」
司教の返事は合いも変わらず素っ気無く、無慈悲だ。よほど大切に思っているのだろうか、卵の破片は
金で繋ぎ合わされ、元の形に丁寧に復元されている。それをウィルの寝室の窓際にそっと並べた。
「御幼生が一人立ちなされれば、これは聖堂に安置いたしましょう。それまではここに。ウィリウス様が
神の御子を宿された証でございますよ」
ウィル自身はできれば見たくないそれを嫌でも目に入る場所に並べられ、彼は頭を抱える。そういう
問題じゃない、と言おうとした時、ふと司教が思い出したように言葉を続けた。
「かつて神の贄を勤められた者の精であれば、御幼生も満足されるでしょう。しかしそれは…」
そのまま言葉を濁す。
つまりは、このまま我慢するか。それとも見知らぬ男に、体内に精液を出されるか。どちらかを選べと
言う事なのだ。さしもの司教も強要するのはためらわれるらしく、珍しく口を閉ざしてしまった。
ウィル自身も選べない。このまま十日も生殺しの愛撫に耐え続けられるのか?しかし―
幼生が大きく動いた。ちょうど敏感な辺りでもぞりと身をくねらす。下腹部がわななき、情けない
喘ぎ声があふれる。
「…はぁん、んあぁああぁ…… どなたか、お願いします…」
全ては神の為、乗りかかった船、毒を食らわば皿まで。半ば捨て鉢気味にウィルは頭を下げた。
とにかく、この無邪気な孔虐者を静めたい。
すぐにご用意しましょう、そう言って部屋を出る司教を見送りもせず、ウィルは夜着の前を寄せ合わせ
ベッドに伏せた。また、幼生がごろんと動いた。

248 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 04:00:52 ID:RY6X8VBw0
【名前欄】幼生の公案4/11
【メール欄】sage
【本文

部屋に訪れた男は、意外にも信徒の一人であった。三十歳半ば位だろうか、教団内では長身で目立ち
夜伽後のウィルを世話してくれることも多いのでよく覚えている。たしかアーウィンと呼ばれていた
はずだ。ウィルは多少の安心感を覚えた。全く見知らぬ男よりは、数回でも会話したことのある
内部の人間の方がいくらか気まずさも和らぐ。
アーウィンは部屋に入るなり、一通りの口上を述べるとフードの付いた法衣を脱いだ。薄い口元が
一見冷酷そうに見えるが、表情は柔らかい。失礼します、と断るとためらいもせずウィルのベッドに
上がりこみ、彼の夜着に手を伸ばした。その思い切りの良さに、ウィルの方が思わず後退る。
「あの…、男同士でも、大丈夫なんでしょうか?」
「ええ、司教様のご指示の元でのことですから」
かみ合わない会話にウィルが面食らっていると、気付いたアーウィンは思わず吹き出た笑いをかみ殺し
言葉を続けた。
「まあ、なんとかなるでしょう。お気を楽になさってください」
つられてウィルが笑う。少し気分が解れた。アーウィンに襟を開かれ、夜着を脱ぐ。反り返り、先走りの
雫に濡れて艶めく男根や腹の辺りまで一度に露になり、ウィルは思わずそれを隠そうと体を横に向けた。
その態度に気を悪くした様子もなく、アーウィンは立ち上がって窓のカーテンを閉め切る。ついで
自分も法衣の下の肌衣を脱いで裸になり、それをカーテンの上から引っ掛けて外からの日差しを遮り
できるだけ部屋を暗くすると、ウィルに寄り添った。
「これなら地下室とそう変わりはないでしょう。さあ、こちらを向いてください」
まるで恋人のように、耳に触れるギリギリで語りかける。ウィルが恐る恐る体を向けると、安心させる
ように微笑みながら素早く片手をウィル自身に伸ばした。抵抗させる暇も与えずに先端を指で擦り
ぬめりを付けて裏筋を一撫でした後、亀頭からくすぐるように揉みながら手を下ろすといきなり激しく
全体を擦りあげる。

249 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 04:02:05 ID:RY6X8VBw0
【名前欄】幼生の公案4/11
【メール欄】sage
【本文】

「ぁあっあ、あぁ、はぁああ…っ!」
長く昂ぶらせたまま放置されていたウィルは、あっけなく気をやった。腹に落ちる精液を呆然と眺めて
いると、今度は、アーウィンはウィルの男根に唇を添えて舐め始めた。
「いやっ、それは…ぁはあ…しなくて…いい、から…ひぁっ!」
手で押しのけようとするウィルを相手にせず、根元に手を添えると一息に大きく咥え込む。恋人にも
された事のない行為に驚きながらも、ウィル自身はすぐに硬さを取り戻してきた。その反応を確かめる
ように横笛に咥えなおすと、唇で軽く挟みながら先端までべろりと舐め上げる。
ふいに、二人の目が合った。アーウィンはどこか夢見るような目でいながら、ウィルを冷たく睨んでいる。
ウィルは急に、彼が恐ろしくなった。
気後れするウィルを見つめながら、アーウィンは指と口で巧みに愛撫を続ける。直接触れられる刺激に
逆らえず、気持ちを置き去りにしてウィルは次第に上り詰めてゆく。下腹部がひくつき、体内の幼生が
這う粘膜の疼きが一層強く感じられる。小さく呻いた瞬間、滑る指で激しくしごかれ、ウィルは再び
自分の上に精液をぶちまけた。

「はぁ…あぁ…… なんで、そんなことまで…」
続けざまに達せられた開放感にわなきながらウィルは呟いた。幼生に精をやるのが目的のはずなのに
これでは自分一人が痴態を晒しているようなものだ。
しかしアーウィンは気にした様子もなかった。ウィルの肌に滴る精液を指に充分に塗すと、無造作に
二本の指を後孔に差し込む。
「うあぁ…ひっはぁっぁああ…ぁあん…」
指は浅く差し込まれただけだった。しかし、その指を幼生が取り巻き、群れになって孔の浅瀬で力一杯
触手を動かし餌を貪っている。孔から背骨にかけてしびれるような快感が走った。

250 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 04:04:22 ID:RY6X8VBw0
先程のは5/11に訂正お願いします。

【名前欄】幼生の公案6/11
【メール欄】sage
【本文】

「…なんで、こんなことをするのですか?」
快感の波が去り、やっと息が整った頃。ウィルは同じ質問を繰り返した。アーウィンはむしろ
退屈そうにウィルの精液を指に絡め、孔に差し込むことを繰り返している。時折、指を奥まで
差し込むと一緒に幼生もずり上がり、ウィルの敏感な部分を叩く。そのよがり声を無感情に聞き流し
ながら彼は答えた。
「こうすれば、ご自分でも滋養を与えることができるでしょう」
確かに。自慰で射精し、自分の指で孔内に塗りつける。考えるだけでも惨めだが、毎回誰かに抱かれる
よりはマシかもしれない。ふとアーウィンが微笑んだ。どこか棘のある笑い。
「何なら、付き添いの者に手伝ってもらってもいい」
今は席を外している、若い信徒の生真面目そうな顔を思い出し、ウィルは慌ててかぶりを振る。
その反応を冷ややかに楽しみながら、アーウィンはウィルの精液をすっかり後孔に塗りこめてしまった。
「…ありがとう、後は自分でなんとか…」

「ウィリウス様。これは私と神との、数年ぶりの逢瀬なのですよ」
アーウィンの態度が一変した。半ば身を起こしかけたウィルをベッドに押したおし、真直ぐに瞳を
見つめてくる。その顔から微笑みは消えていた。思いつめた人間の、どこか狂おしげな影が表情に
浮かんでいる。
ふいに、ウィルは理解した。彼は信者なのだ。自分のような部外者ではない。触手を神として崇め
文字通り、身も心をも捧げて生きてきた男。かつては贄として神の側に降り、その愛撫を受けいれた者。)

[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
続きは明日投稿します。

251 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 04:15:42 ID:RY6X8VBw0
以上です。どだなか代行できる方、よろしくお願いします。

252 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 12:42:04 ID:+jEc7jO20
棚スレの>>2の(4)を読んで下さい

253 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 12:45:25 ID:+jEc7jO20
あ、ごめん、読み間違えた
>>252は無しで
とりあえずそのまま代行いってくる

こういう場合は1/6〜6/6の方がいいと思うんだけどなぁ
一度に10レス以上投下じゃない、という意味で

254 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 13:04:39 ID:BtpyMLcY0
>>250done.

コピペミスしてしまった
変な指摘した上間違えてごめん

255 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 20:33:53 ID:RY6X8VBw0
代行の方、ありがとうございます。
>>253指摘ありがとう、次からは気をつけます。
後半お願いします。

【名前欄】幼生の公案7/11
【メール欄】sage
【本文】


ウィルの動揺に気付いたのだろうか。アーウィンはわずかに表情を和らげる。しかし今はその
穏やかさも、ウィルを安心させることはできない。
「別に無茶なまねはさせません。…これは、神に愛された体だ」
大きな手がゆっくりと頬を撫でる。そのまま胸を伝い、両手でウィルの男根を包み込むと愛しそうに
キスをする。一つのことがウィルの脳裡に浮かんだ。
「あなたも、その…排卵管を見たのですか」
「ええ」
「座らされました…?」
答えずに手を離し、一本の指を孔に差し入れる。餌があると思ったのだろう、幼生が一斉に集まった。
指は動かされない、が幼生たちは触手を振り回し、粘膜を撫で回す。彼は触手の感触を楽しんでいた。
「抱卵は信仰とも徳とも関係はない、ただ体が適しているかどうかだけ。司教様からは何度となく
そう慰められました」
独り言のように呟く。という事は、卵は生まれなかったのだ―もどかしい刺激に身もだえしそうに
なるのを我慢し、ウィルは言葉の意味を考える。
指が抜かれた。幼生たちはもぞもぞと体内に散らばってゆく。弱く、確実に触れられる刺激にウィルが
喘いだ。それがアーウィンに火をつけたのだろうか。
抜かれた指がすっと会陰を撫上げた。羽のように軽い愛撫。その指にいきなり力が入り、敏感な部分を
強く捻りあげる。
「ぎぃあぁっ!」
「それで選ばれたのがこの体だ」
ウィルはとっさにアーウィンを蹴りつけた。しかし孔の内外から責められた体には力が入らず、簡単に
脚を捕らえられてしまう。その脚を肩に担ぎ上げると、露になった孔にアーウィンは半ば立ち上がった
己自身を深云と突き立てた。

256 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 20:34:59 ID:RY6X8VBw0
【名前欄】幼生の公案8/11
【メール欄】sage
【本文】

「くぅ…ううんっはぁああ…ぁあああっひぃっやぁ…っ!」
アーウィンは体を動かそうとしない。だが幼生たちは容赦なく腸壁を擦り、アーウィンの男根を
取り巻こうと動き回る。弱弱しかった刺激は一気に強烈になり、何百もの細い触手で粘膜を捏ね回し
ウィルとアーウィンの間に潜り込もうと身をくねらす。その動きに刺激を受け、アーウィン自身も
また大きさ、硬さを増してゆく。太い男根に孔を広げられ、その隙間を蠢く触手に埋め尽くされる
重く、蕩けるような快楽がウィルを追い込んでいく。
「あぁああっ!いやぁ…ぁあ!はぁああぁぁ…も、う…やめっ…!」
「ウィリウス様、どうなされましたか?」
突然、扉の外から声をかけられた。付き添いがいたのだ。ウィルの尋常でない悲鳴を聞きつけて
身を案じたのだろう。だが何よりもまず、全て聞かれていたという事にウィルは狼狽した。
「呼び入れますか?」
アーウィンの声も微かに震えている。しかしそれは驚きではない。今、再び神と交わっているという
高揚感に声が上ずり、挑発的な目でウィルを見つめている。
「私は別に構いませんよ。やましいことは何もしていない」
落ち着いてウィルを見下ろす。ウィルは絶句して自分の姿を見た。
片足を担ぎ上げられ、大きく陰部をさらけ出した姿勢でアーウィンの男根を咥え込んでいる。幼生の
粘液なのか、自分の精液なのか。結合部は濡れて糸を引き、シーツに小さな染みを作っている。
さらには自分自身も。粘膜に与えられる絶え間ない刺激に硬さを取り戻し、透明な体液が流れている。
見られたくない、こんな姿は。思った瞬間、アーウィンが強く腰を揺さぶった。
「やっ!いやああぁあ…ぁあぁぁ…」
「大丈夫ですか!?」
扉がわずかに開いた。

257 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 20:36:05 ID:RY6X8VBw0
【名前欄】幼生の公案9/11
【メール欄】sage
【本文】

「来るな!なんでもないっ!」
ウィルは咄嗟に叫んだ。いや、叫んだつもりだが声は涙に詰り、不安定に揺れている。それでも
制止するだけの強さがあったのか、一瞬ためらわれた後、扉は閉められた。
今にも崩れ落ちそうにしゃくりあげるウィルを見て、アーウィンは冷たく微笑んでいる。
だが泣き出す代わりに、ウィルは行動に出た。渾身の力でアーウィンの腕を振り払い、脚を下ろす。
そのままうつ伏せになり、ベッドから這い出そうとしたのだ。動くたびに幼生が動き回り、熟しきった
快楽に新しい刺激が生まれる。唇を噛んで嬌声を殺し必死にもがいたが、簡単に腰を捕まれ引きずり
戻されてしまった。
「無駄ですよ」
うつ伏せに押し倒し、ゆっくりと自身を根元まで押し込む。すぐに幼生たちが男根に絡みついた。
少しでも餌を得ようと細い触手を伸ばし、尿道まで入り込んでくる。鋭い痛みに貫かれ、冷たい汗を
かきながらもアーウィンは身を引こうとはしない。これが最後になるだろう、そう覚悟を決めて触手の
感触を存分に味わう。
ウィルの嬌声が奇妙にくぐもっているのに気付いた。見ると、自分の手の甲を噛み締めている。一瞬
考え、あえてそのままにさせるとアーウィンは勢いよく腰を打ちつけ始めた。
「んんーーーっ!くぅっふぅううっ!んふぅぅううーーーっ!」
跳ね上がるウィルの体を押さえつけ、欲望のままに触手の中に己をつき立てる。今のアーウィンには
ウィルのことなど頭にはなかった。見えているのはただ、地下で燐光を放つ神の姿だけ。交わった者
だけが覚えている、暖かな粘液と触手の力強さだけだ。
昂ぶる気持ちを抑え、一旦、動きを止める。ウィルの背中に体を重ねると、彼の小刻みに震える
下腹部をそっと撫でながら耳元で呟いた。
「…ここに、その神がおられる」
陶酔した、恋人のような甘い囁き。ウィルは何も答えることができなかった。

258 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 20:37:18 ID:RY6X8VBw0
【名前欄】幼生の公案10/11
【メール欄】sage
【本文】

ウィルはただじっと、片手の甲を噛み締めていた。突き上げられるたびにウィル自身がシーツに
擦り付けられ、快感が衝撃のように下腹部に響く。男根に責められ、触手に嬲られて彼は体の芯から
沸き起こる快楽に包まれていた。せめてここが地下室なら、嬌態を見られることのない閉ざされた
空間なら―息苦しさに途切れそうになる意識の中に、あの触手の姿がぼんやりと浮かぶ。
体の奥で何かが弾けた。快感そのものが形となってウィルの全身を貫く。自然と弓形に反ろうとする
背中を無理矢理に押さえつけられ、出口を狭められた精液は勢いをなくし、とろとろとシーツに
塗りつけられる。長引く射精の間、繰り返す波のような絶頂感に襲われ、ウィルは次第に自我を
失いはじめていた。自分でもそれと気付かないまま、アーウィンの動きにあわせて腰を揺らす。
達したばかりの敏感な亀頭をシーツに擦りつけ、より深くまで突き入れられようと脚を大きく開く。
押さえきれない嬌声が、咽び泣くように響いた。蕩けるような快楽が粘膜から溢れだし、肌を覆い爪先まで染み渡る。もう出るものもないほどに精を吐き出し、それでも訪れる絶頂感に翻弄され、ウィルは
無我夢中で空いた片手を振り回し触れたものにしがみついた。その温もりに触手を思い出しながら
深い陶酔感に飲み込まれてゆく。
アーウィンの動きが性急になった。幼生は場所を譲るように奥へと移動する。熟れた粘膜を直接
男根に擦られる感触は、触手とも排卵管とも違う、感じた事のない刺激をウィルの心に刻む。
一層深く突き上げられ、熱い体液が迸るのが体の奥に感じられた。やがてゆっくりと、アーウィンが
引きずり出される。餌を得た喜びに幼生たちが身をくねらせ始めた。
終わったんだ、彼と神との長い逢瀬は。弛緩した体をベッドに投げ出し、ウィルはアーウィンが
離れるのを待った。
しかし彼は動こうとしない。体を重ねたまま、ウィルと同じように息を乱し、片手でウィルの口から
手を外させようとしている。されるがままに顔をあげた途端、ウィルは自分が握り締めている物が
何なのかに気付いた。それは、自重を支える為に付かれた、アーウィンの腕だった。

259 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 20:38:14 ID:RY6X8VBw0
【名前欄】幼生の公案11/11
【メール欄】sage
【本文】

「その傷は、私がつけたと報告しておいてください。そうすれば、私はあなたのお世話から外される」
ウィルの手に包帯を巻き終えたアーウィンが、顔を背けながら言い放った。カーテン越しに差し込む
日の光は弱くなり、窓際の卵を影のように浮かび上がらせている。アーウィンはその卵に手を伸ばし
さわろうとして―触れずに手を下ろした。
ウィルは迷った。確かに、今までと同じ気持ちで彼の世話を受けるのは難しくなるだろう。
しかし自分の感情だけで教団を動かすようなまねはしたくはなかった。自分はやはり部外者であり
どれだけ触手を受け入れたつもりでも、本当に信仰している者とは覚悟の程が違う。
アーウィンの存在に、その事実を痛感させられる。
「…私は人のせいにしたくはありません」
精一杯考えた挙句、それだけしか言葉にはならない。
二人は卵を見つめている。同じ物を見ていても、考えている事は違うのだろう。それ以上のことを
想像するのは彼の心に土足で上がりこむように思え、ためらわれる。
やがて、アーウィンが振り返った。先程までの影は消え、いつもの世話係の表情を取り戻している。
「口元に血が滲んでいますね。拭いておいたほうがいいでしょう」
清潔な布を探し出すと、そっと口元に押し当てる。一瞬、ウィルは緊張したが、それ以上なにをする
でもなくアーウィンは離れ、一礼して部屋を出ようとする。
ウィルは咄嗟に呼び止めた。
「あの…これからも、よろしくお願いします。…色々と」
可笑しそうに微笑むと、彼はそのまま部屋を出ていった。
これで良かったんだろうか?自分には重過ぎる課題を残されたような気がする。
今は満たされて落ち着いている、小さな幼生たちが引き起こした大きな葛藤に心を乱されつつ
ウィルはそっと下腹部を撫でた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

260 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 20:39:45 ID:RY6X8VBw0
以上です。どなたかよろしくお願いします。
いっつも長文ばっかりで申し訳ないですorz

261 :風と木の名無しさん:2012/10/06(土) 21:53:06 ID:96gU/Xvg0
>>260
投下完了

262 :風と木の名無しさん:2012/10/06(土) 22:34:06 ID:J6C3wzTQ0
>>261
ありがとうございます。

263 :風と木の名無しさん:2012/10/09(火) 01:25:15 ID:FP9P7/Ss0
何度やってもエラーになってしまいます。どなたか代行お願いします。
【名前欄】9月12日1/3
【メール欄】sage
【本文】
生。引退する人と引退した人
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「お疲れ」
地下の駐車場に姿を現した彼に声をかける。
「来とったんか」
驚いたように自分を見る彼の顔にも声にも、濃い疲労の色が滲んでいる。
今日は本当に大変な日だったから。
「今日はずっと一緒にいるつもりだったから」
そう言うと、彼の強張った表情がふっと緩んでいった。
「記者会見やるから来てくれんか」
今朝、彼が電話でそう言った。会見の内容は分かっていた。
しかし、レポーターでも記者でもない自分がそこにいるのは少し気が引けた。けれど――。
「お前に見といて欲しいんや」
縋り付くような声音に、覚悟が決まった。
「試合、残念だったな」
「ほんまにの。せっかく俺が引退してやるゆうたのにな」
彼が大きな決断をした大切な日の大切な試合に、チームは勝つことが出来なかった。
「あいつらも―」
そう言って、彼はため息を吐く。
「試合終わって泣いて謝るくらいやったら、ヒットの1本も打てゆうんや」

264 :風と木の名無しさん:2012/10/09(火) 01:27:40 ID:FP9P7/Ss0
【名前欄】9月12日2/3
【メール欄】sage
【本文】
不動の4番で、精神的支柱でもあった彼の衰えと共にチームは弱体化の道を辿り始めた。
彼さえいなくなれば――。
次第に大きくなる周囲の声に、耐え続け、抗い続け、それでもチームの将来の為に今日、
ユニホームを脱ぐことを宣言した。
「こんなんやったら、俺…、やめれんやないか…」
俯き、震える声で彼が呟く。彼に近づき、背中に腕を回して引き寄せる。
「…よく、頑張ったな」
肩に顔を埋めるようにした彼の口から、嗚咽が溢れ出した。
「お前がおってくれたから…」
嗚咽の間に彼が言う。
「あそこに座っても、…俺、まだ辞めるて…、言いとうなかった」
「…うん」
「けど、お前の顔見たら、お前が見といてくれたら言えるて……」
「…うん、よく…、言えたな」
「…みっともないやろ」
「そんなことない。かっこいいよ、お前は」
本心からの言葉だった。潔い辞め方なんて、本当はしたくない。野球が好きで、プロになって、
必死で努力して掴みとってきたものを、簡単に手放したくない。
人に惨めだと言われようと、しがみ付いたって構わないではないか。

265 :風と木の名無しさん:2012/10/09(火) 01:29:22 ID:FP9P7/Ss0
【名前欄】9月12日3/3
【メール欄】sage
【本文】
「…矢里予は優しいなあ」
矢里予から体を離し、涙に濡れた顔を拭いながら、いつものふざけたような調子で彼がいう。
「ほんまええ男や」
そう言ってしみじみと自分を見つめる彼に、いつも思っていたことを言ってみる。
「そういうこと、俺の前だけで言ってくれないか」
「そういうことて?」
「いろんな所で言ってるだろ?女だったら俺と結婚したいとか。ああいうの」
「なんで?」
「冗談で言ってるみたいだろ」
「俺は本気で言よるで」
「それは、分かってるけど」
「分かっとるならええやん」
諦めて矢里予は苦笑する。彼を言い負かすことが出来るわけがないのは分かっていたけれど。
面白そうに笑っていた鉢の表情がすっと引き締められる。
「最後まで見といてくれるか」
「ああ、見届けるよ。最後まで」
残された時間を、彼は全力で、でも楽しみながらプレイする。
そして、自分はその姿を見つめ続ける。最後のイニングが終了するその瞬間まで。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

266 :風と木の名無しさん:2012/10/09(火) 14:01:46 ID:Tci3ukzw0
>>265
おわた

267 :風と木の名無しさん:2012/10/12(金) 04:09:17 ID:GFzIzg2c0
1年ぶりに投下しようとしたんですが規制ルールが変わったのか何度やってもエラーになってしまいます。どなたか代行していただけると嬉しいです。
【名前欄】Lunch Time 1/6
【メール欄】sage
【本文】
オリジナル、主任と部下。萌え分少なめ、中途半端な終わり方。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

今日も主任は自分のデスクの椅子の背もたれに
身体を預けるようにして寝息を立てながら眠っていた。
伏せられた瞼に並ぶ睫は意外と長く、業務中に寄せられる眉間の皺は薄くなってる。
椅子に座っての仮眠は若干呼吸がしづらいのか薄く唇が開いていて、
その隙間から覗く歯列の白さが脳裏に焼きつくほど艶めかしい。
いつだったか
「これでも週末にはジムに通ってるのだよ。
 それでも日頃の運動不足は解消できないのか、
 なかなか身体が締まってこないな」
と苦笑しながら話してくれた首から下には、
そんな言葉が嘘だと思えるほどスーツがよく似合う体躯が備わっている。
主任の表情に対しては厳しい顔つきで部下に指示を送っているか、
宴席で豪快に笑ってるかの印象しか持っていなかったが、
こうして寝ているときの主任の顔は年齢の割にはかなり若く見え、
どうかしたら少年が寝ているみたいに可愛らしかった。
そんな主任の寝顔を垣間見てると俺はやましい感情に揺さぶられ、
口付けの一つでもしてやろうかとそっと近づいてみるが、
毎回何かしらの邪魔が入って俺の計画が台無しになる。

268 :風と木の名無しさん:2012/10/12(金) 04:12:37 ID:GFzIzg2c0
【名前欄】Lunch Time 2/6
【メール欄】sage
【本文】
主任が昼休みの僅かな時間を使って仮眠を取っていることを
最初に知ったのはどれくらい前のことだったろう。
確か…何かの折に急な出費が重なって
給料日後5日目にして金欠になったことがきっかけだったはずだ。
ここで働く職員のほとんどは外にランチを食べに行くか
併設の職員食堂を利用するが、少数ながら弁当持参の者もいる。
俺の所属する部署では俺も含めて主任以外の全員が
昼休みになると自分の席を離れるためそれまで気づかなかったが、
金欠になって翌月の給料日までの間だけと弁当持参を決めたときに
主任の昼寝に初めて気が付いた。
離れたところにあるロッカールームから弁当を出してきて席に戻ると
「おや、珍しいな。いつも昼休みにはここは私以外誰もいなくなるのに」
と先に自分の弁当を食べていた主任に声を掛けられた。
適当に相槌を打ってから目の前のモニター画面をマウスで操作しながら
自分の食事を終わらせ、席を立って空の弁当箱を
ロッカールームに戻しに行こうとしたときに何気なく主任の方を見たら、
それまでと違って椅子の向きが変わっていたので
「あれ?」と思って覗き込んだのだ。

269 :風と木の名無しさん:2012/10/12(金) 04:15:11 ID:GFzIzg2c0
【名前欄】Lunch Time 3/6
【メール欄】sage
【本文】
俺が所属する部署はフロア中央に設けられた
ガラス張りの会議室を挟んで狭い角地にあり、
また他も含めて各部署がパーティションで区切られていることから
ここだけ外部から隔絶された離れ小島のように見えるようで、
他の部署の連中からは作業中の様子がほとんど分からないと言われてる。
しかも主任は会議室に背を向けるように、
自分の机と椅子の背もたれを垂直に並べるように寝ているため、
少し離れたところその様子をから見れば、
主任が窓を見ながら何か思案に耽っているようにしか見えない。
だから主任を起こす振りをして静かに近づき何かしたとしても
一見には何をしているのかは分からないはず。
そう思って俺はチャンスが訪れないかと思いながら
次の給料日で懐が潤ってからも弁当持参を続けることにしたが、
しかし昼食を終えた同僚たちが毎日定刻に戻ってくるとは限らず
「今日はいつも行くお店がすごく混んでたからコンビニで買ってきちゃった」
と女子社員が早々に戻ってくるときもあれば
いつかの俺のように珍しく弁当持参の者がいることもある。
そんな喧騒が部署に戻ってくると決まって主任は目を覚ましてしまうのだ。
一度だけあと少しで主任の頬に触れられそうというところまでは
手を近づけることができたが、
やはりそのときも同僚の1人が戻ってきたタイミングで主任が目を覚まし、
思わずその場の勢いで頬をペチンと叩いて
「虫が止まってましたよ」と誤魔化してしまったのだ。
せっかくのチャンスを握りつぶされてしまい
俺は拳を握って手の平に爪を立てることでなんとかこらえたが、
心の中では同僚の襟元を引っつかんで罵倒するくらい悔しかった。
そのときのそれ以上のチャンスが訪れることもなく、
主任に対して「上司と部下」という関係以上の発展を
望めそうにないことに俺はだんだんと自分の想いも含めて
諦めかけていたが、ある日事態は急転した。

270 :風と木の名無しさん:2012/10/12(金) 04:17:29 ID:GFzIzg2c0
【名前欄】Lunch Time 4/6
【メール欄】sage
【本文】
ある取引先で金曜日の夕方にトラブルが発生したため
その取引を担当していた俺と主任がその対処に追われ、
急遽翌日の土曜日に休日出勤することになった。
休日に出勤してきたのは俺と上司の2人だけで、
他の部署を含めてフロアには誰もいない。
俺と違って金銭的な余裕があるんだろうから
こんなときぐらい主任は外で昼食を取ればいいのにと思ったが、
主任も俺もついいつものクセで弁当持参で出勤してきてしまった。
食事中はそれぞれパソコンのモニターを眺めながら
午後から行う作業の事前確認をしているため
ほとんど会話を交わすことはないし、
主任はいつものように昼休み終了の合図のチャイムが鳴るまで
椅子に座ったまま仮眠を始めてしまう。
だが今日は休日出勤、俺と主任の邪魔をする奴はいない。
よし今日こそは…と思って空の弁当箱をロッカールームに置きに行った後、
そっと主任が座っている椅子へと近づいた。


271 :風と木の名無しさん:2012/10/12(金) 04:19:44 ID:GFzIzg2c0
【名前欄】Lunch Time 5/6
【メール欄】sage
【本文】
可愛らしい寝顔を浮かべ、薄く唇を開いて微かな寝息を立てる主任。
火事の半鐘のように早まる胸の鼓動に焦りながら
主任が目を覚まさないようにごく軽い力で両肩をつかみ、
上半身を折り曲げるようにして自分の唇を、
主任の同じものに一度だけ触れさせた。
「……ゃっ…と……」
「……え?」
直後主任の唇が動き、小さな呟きが聞こえた。
ほんの僅かに唇の表面を合わせただけだから
起きないだろうと思っていたのに、主任の瞼はゆっくりと開き始める。
「……やっと勇気を出してくれたね」
主任はそう言って、
今まで見たことが無い口角にだけ笑みを浮かべた表情をした後で
俺の顎と背中に手を掛けた。
「こうして私が寝ていると君は私の顔を覗き込んでは
 毎回ため息をついているから、
 その息遣いで意識が覚めてしまうのだよ。
 それに…ときどきため息の後に切なそうな声で
 私の名前を呼んでいただろう? 嫌でも君の気持ちに気づくさ」
そのまま軽く触れる以上のキスを唇どころか頬や首筋にも施されて、
主任の膝の上に横座りする形で膝が崩れた。

272 :風と木の名無しさん:2012/10/12(金) 04:22:55 ID:GFzIzg2c0
【名前欄】Lunch Time 6/6
【メール欄】sage
【本文】
俺のため息で意識が覚めていたということは、
そこから後はずっと寝た振りをしてたのか?
「やっと勇気を出してくれたね」…って、
もしかして俺が何かするのをずっと待っていた?
主任からのキスを受けながらこれまでのことを振り返って考えるが、
顎に掛かっていた手が背中に回り、
背中を撫で回されていたもう片方の手でワイシャツの胸ポケットの辺りを弄られ始めて、
それ以上のことを考える余裕がなくなってきた。
「……あ…ぁっ!」
思わず声を上げてしまった途端、まとわり付くように絡んでいた主任の両手が
俺の身体から離れて軽く押すように両肩をつかむ。
「作業、どれくらい終わった?」
唐突にそう聞かれて慌てて腕時計を確認し
「…え? …あ、はい。あと2時間あれば完了するかと」と答える。
「1時間30分。それで終わらせることができたら
 作業が終わった後でこの続きを、
 特別なご褒美つきでしてあげよう。頑張れる?」
そう言われたら黙っちゃいられない、
膝上を借りるようにして座っていた俺は
「頑張ります」と立ち上がって主任から離れようとした。
…が、立てなかった。
「……さすがに若いね。辛そうだからあと少しだけ続けようか」
察しの早い主任は俺の身体の変化に気づくと
ベルトに手を掛けてスラックスの前開きを解き始めた。

特別なご褒美って何だろう?
というか、主任の気持ちは俺と同じなのか?
でもそうすると主任の左手薬指に光る指輪が
意味を成さなくならないだろうか、大丈夫なのかな。
いろんな考えが頭を一瞬駆け巡ったが、
股間の屹立に与えられた甘い刺激に耐え切れず、
俺は思考回路を一時シャットダウンして主任の身体にしがみついた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

273 :風と木の名無しさん:2012/10/12(金) 12:03:42 ID:qj7gTZNw0
>>267
done.

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