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投下代行スレ
- 141 :風と木の名無しさん:2012/03/16(金) 12:01:11 ID:8nyR280w0
- 忍法帖レベルが足りませんでした。お手数おかけ致しますが投下代行お願い
します。
【名前欄】御簾振 屑×牛 「その淑女、ふしだらにつき」1/6
【メール欄】sage
【本文】
文庫本書き下ろしの牛尾女装設定
エロはなし
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
十二支・華武合同合宿にて、両監督の悪ノリにより、悪夢のエスコート肝試しは再び開かれた。これは、その時のお話―。
- 142 :風と木の名無しさん:2012/03/16(金) 12:02:04 ID:8nyR280w0
-
【名前欄】御簾振 屑×牛 「その淑女、ふしだらにつき」2/6
【メール欄】sage
【本文】
屑桐・牛子ペア
会話・なし。雰囲気・殺伐。屑桐・おされ気味。牛子・暴走気味。
はたして一言目を発したのは。
「たかだか女装子ひとり口説く勇気もなくて?」
牛子その人であった。スカートを翻し口撃は続く。
「あなたいつも王者、王者って言ってるけれど、名門校ってブランドに守られないと
何一つできないのかしら?」
これは痛いところを突いたらしく、ただでさえ強面のかの人の眉間の皺がより深く刻まれる事態を引き起こした。
「…このようなバカげた事に付き合うつもりはない」
地の底から響くように重苦しい声。怒っている、完璧に怒っている。
「あらそう。その『バカげた事』ひとつうまくこなせないようじゃ、華武の天下も貴方の代でおしまいね。お気の毒に」
ぴしり。屑桐のこめかみの血管が浮き出る音。
「…貴様は、あの後輩達に毒されすぎだッ!!」
「楽しくてよ」
一喝もうまく切り返され、キレた屑桐のほうが途方に暮れる事態に突入した。
- 143 :風と木の名無しさん:2012/03/16(金) 12:03:02 ID:8nyR280w0
- 【名前欄】御簾振 屑×牛 「その淑女、ふしだらにつき」3/6
【メール欄】sage
【本文】
「…望みはなんだ」
彼はようやく、この悪ふざけの産物であるイベントを乗り切らなければ、今日の安眠が保証されない事を悟ったようである。
「そうねえ…。ねえ、ベンツとロレックスとシャネル買ってぇ」
「……」
「今晩はフランス料理ね。ハワイ旅行も行きたいわぁ」
「………だまれ成金女。貴様の入る墓石を買ってやるわ」
「んもぅ、ケチくさい男はこれだから」
「…」
ピキピキ。屑桐の血管の血流が劇的に速くなる音。
「アタクシお金のない男は興味ナッシングでございますわよ」
空気はもはや険悪である。
「なんてね。そんなちゃちなことはもうすべて経験済み。
牛尾家は旗本…今で言えば華族の血筋でございますの。高祖父は貴族院に勤めておりました。明治に入って財閥の令嬢を娶って、家柄も門地も手に入れましたの。成金とは最も縁がございませんことよ」
そこだけは訂正してくださらない。そう言われて、屑桐は腹を立てつつ素直に謝罪した。
「すまん」
「そう。それから」
彼女(?)の抗弁はどうやら続くらしい。もう勝手にしろと思いつつ、一応は耳を傾ける屑桐。
- 144 :風と木の名無しさん:2012/03/16(金) 12:04:20 ID:8nyR280w0
- 【名前欄】御簾振 屑×牛 「その淑女、ふしだらにつき」3/6
【メール欄】sage
【本文】
「男の価値はお金ではございませんことよ。無論、顔や中身なんて綺麗事も言いませんわ。
男は、器。甲斐性がすべて」
言っていることは真っ当なのか、ふざけているのか。金と甲斐性って被ってないかと思いつつ、どういうことかと屑桐は訊く。
「責任を取る能力。ここ一番という時にすべての責任を背負って動き、弱きものを守って行動できるか、否か。そういう面では、貴方は見込みがありそうな気がしましてよ。」
貴方にとっての女の価値も聞いてみたいわと突っ込まれ、ムチャ振りだと思いつつ屑桐は自説を披露する。
「大和撫子だな。趣味が古いと言われても構わん。尽くし体質で、文句を言わずに三歩下がってついてくるような性質が好ましい。良妻賢母になりそうなら、尚良し」
「さだ●さしの世界ですこと」
「お嬢さん育ちは絶対に無理だ。贅沢をさせてやる余裕もなければ、苦労をさせない保証もできん」
どうだ、とばかりに牛子を見る。『貴様は圏外も圏外だ』と宣言したも同然の発言に、さすがの彼女も退くことを屑桐は疑っていない。
「つまりは、」
牛子は余裕の微笑みを崩さずに切り返してくる。
「幸せにできるだけの甲斐性もないと。戦わずして負けを認めるということでよろしくて?」
贅沢ではなく、幸せ。そう言われては、さすがに屑桐も反論せざるをえなかった。
彼は裕福な生活を体験してはこなかったが、体に幸せの記憶は持っている。
- 145 :風と木の名無しさん:2012/03/16(金) 12:05:24 ID:8nyR280w0
- 【名前欄】御簾振 屑×牛 「その淑女、ふしだらにつき」4/6
【メール欄】sage
【本文】
「貴様にとって幸せとは、なんだ」
「愛こそすべて」
即答である。
「お金なら、アタクシがなんとでもできますもの」
なんとも太っ腹なセリフである。
「ねえ貴方」
さあ、今こそ最高の殺し文句を。
「アタクシに惚れたら、逆玉に乗れますわよ」
身体ひとつでいらっしゃい。そう締めくくり、自信に満ちた美しい微笑みを牛子は浮かべる。こころなしか、屑桐には彼女の後ろに黄金色の後光が差して見えていた。
「フハハッ!フハハハハハ!!」
気がつけば屑桐は笑い出していた。
「…なにがおかしくて」
「貴様が口説いてどうする」
もっともなツッコミである。エスコート肝試し、奥深し。
「それにな」
赤い瞳に、一瞬にして焔を宿らせて。
「他人に恵んでもらうものなぞ、何一つない。俺の幸せも栄光も、俺がこの手で自ら掴み取ってやるわ。貴様も心しておけ」
「何年先になることやら」
「…出世払いという言葉を知らんのか」
「将来性を買え、ということですわね。先物取引はリスクが大きいというのに」
ため息をついた後、まあいいわと笑顔を上塗りして、牛子は繊細な細工が施された手袋をつけた腕を差しだす。
「さらっていきたまえ」
男言葉に戻ってるぞと屑桐はツッコミをいれようと思ったが、手のかすかな震えを見て、不問に賭してやろうと思い改めた。
「悪いお嬢さんだ」
「ふしだらなのはお嫌い?」
返事の代わりに腕を掴むと、ぐいぐいと引っ張って勝手に旅館の方向へ戻る。
- 146 :風と木の名無しさん:2012/03/16(金) 12:06:34 ID:8nyR280w0
-
【名前欄】御簾振 屑×牛 「その淑女、ふしだらにつき」5/6
【メール欄】sage
【本文】
ふたつの、手。
片方は、夢を掴みかけている手。大きく、節くれだった働き者の手。
もう片方は、慈愛の手。自らの犠牲を省みず、未来の大選手を炎から守り抜いた手。
「…貴様はどうして皮膚の移植手術を受けなかった」
「逆に訊くよ。これから顔の火傷痕を治療する気はある?それと同じさ」
同じ傷を異なる場所に引きずったという、事。目に見える繋がり。忌まわしいというには哀しすぎ、懐かしいというには激しすぎ、愛しいというには歪すぎる繋がりであった。
嫌でも、相手を忘れない。
「…随分と遠回りしたな」
「…長かったね。でも、またここに居られる」
いくらか余裕を取り戻した牛尾、もとい牛子は艶然と微笑み言葉を続けた。
「アタクシ、この立ち位置が大変気に入っておりましてよ」
「そうか」
気がつかないふりも、淑女の嗜みのひとつ。
耳まで真っ赤になっている屑桐をうしろから見ながら、牛子は自身の母が語っていた信条を思い出していた。
- 147 :風と木の名無しさん:2012/03/16(金) 12:07:31 ID:8nyR280w0
- 【名前欄】御簾振 屑×牛 「その淑女、ふしだらにつき」6/6
【メール欄】sage
【本文】
無断で旅館に戻った両校のキャプテンは、涼しい顔でまったりとくつろいでいた。
「二人してしけこみやがった」とは、この手の機微に敏い口の悪い某後輩の証言である。
お互いに軽口を叩くようになった両人の様子が「まるで熟年夫妻のそれであった」とは、両校の後輩達に共通した感想であったという。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
色々とミスってご迷惑おかけしました。
これ終わったら半年ROMります
- 148 :風と木の名無しさん:2012/03/16(金) 12:12:12 ID:8nyR280w0
- うわ、スミマセン、3がふたつあった。
×1・2・3・4・5・6/6→○1・2・3・4・5・6・7/7
重ね重ねもうしわけありませんでしたm(_ _)m
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