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投下代行スレ

520 :引退セレモニー 2/3:2018/12/05(水) 13:20:06 ID:L6+SH8S+0
申し訳ありません。どなたか代行お願いします。


↓ここから↓


「最後の日にあなたに会えて良かった」
昔と変わらぬ人懐っこさで、森乃に握手を求める。求められるまま、握手をした。あの頃と何ら変わらない握手だ。
ド荒の本にコメントを書いたことがある。ド荒、は、ファンにとっては一人だが、盛野にとって彼がド荒だった。
盛野のコメントは、彼が演じるド荒に向けたものだった。

「バク転は、若い子がしますけど…。セレモニーでは一緒に歩きましょう」
足をさすりながら彼は言う。
「ありがとう、来てくれて」
勇気が必要だったろうに、来てくれたことに労いの言葉をかけた。

ド荒は、何人もの役者に脈々と受け継がれている。坊主好き、珍妙なダンス好き、バク転、その他諸々。
設定として引き継がれてはいるが、細かく見るとそれぞれ違うな、と盛野はわかる。

「コーチとしているんですってね」
「ああ」
「後進の指導は大事ですよね。わかります。この球団一筋のあなたらしい選択だ」
そこへ、一人の若者が入室してくる。盛野は、名前も顔も一致しないその若者を訝しげに見つめた。
「今日、バク転してくれる若い子です。僕の教え子」
「教え子?」
「今、何をやってるんだ、って顔ですね。足が悪いので激しい動きはできませんが、育成部の責任者です」
よろしくお願いします、と彼は、頭を下げる。
「盛野コーチ。これからもこのド荒くんをよろしくお願いしますね」


世代交代。
華の選手はいつしか引退し、指導に回る。
彼は野球選手ではないが、彼もまた、己の身体と戦い、力尽き、次の道を選んだのか。



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